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「暗黒物質」の痕跡を発見か
4月4日 6時44分

「暗黒物質」の痕跡を発見か
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宇宙の成分の4分の1を占めると言われながら直接、観測することができなかった謎の物質「暗黒物質」について、国際的な研究グループは3日、「暗黒物質」の痕跡を捉えた可能性があると発表し、今後「暗黒物質」の正体に迫る大きな手がかりになるのではないかと期待されています。

これは、アメリカやドイツなどの科学者で作る国際的な研究グループが3日、スイスのジュネーブ郊外にあるCERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関で発表したものです。
宇宙空間では「暗黒物質」と呼ばれる物質が宇宙全体の成分のおよそ4分の1を占めると言われてきましたが、「暗黒物質」は光や電磁波を出さないため、直接、観測することができず“謎の物質”とされてきました。
研究グループでは、この「暗黒物質」について、高度400キロを飛行する国際宇宙ステーションに設置された「AMS」と呼ばれる特殊な観測装置でおととし3月から観測を続けてきました。
その結果、これまでに「陽電子」と呼ばれる粒子をおよそ40万個捉えたということで、そのエネルギーの高さなどから「暗黒物質」同士が衝突して生み出された粒子である可能性があるとしています。
研究グループでは、観測された陽電子がほかの天体から飛んできた可能性も排除できないとしていますが、今後、数か月かけて観測を続ければ、結論を出すことができるとしています。
「暗黒物質」を巡っては、宇宙の大きな謎として世界中の科学者が観測や研究を続けており、今回の研究成果が今後「暗黒物質」の正体に迫るための大きな手がかりになるのではないかと期待されています。

AMSとは

今回「暗黒物質」の痕跡とみられる粒子を観測したのは「AMS」と呼ばれる観測装置で、高度400キロを飛行する国際宇宙ステーションに設置されています。
「AMS」は宇宙に「暗黒物質」が存在することを証明しようと、アメリカやヨーロッパ、それに中国など世界16か国の研究機関が共同で開発しました。
この装置は、宇宙を飛び交っている目に見えない粒子を高い精度で観測でき、「暗黒物質」が衝突したときに発生する一定のエネルギーを持った「陽電子」と呼ばれる粒子を捉えられるのが特徴です。
「陽電子」は物質を構成する重要な粒子の一つ「電子」とまったく逆の性質を持っていることから「反物質」とも呼ばれています。
研究チームは、おととし3月に観測を始めてから、この「陽電子」を40万個観測したということで、そのエネルギーの高さなどから「暗黒物質」どうしが衝突して生み出されたものである可能性があるとしています。
今回の観測は、「暗黒物質」そのものを観測したわけではなく、他の粒子が衝突するなどして発生した「陽電子」である可能性も排除できないということですが、研究チームではさらに観測を続けて近く結論を出したいとしています。

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