「日本はポール・マッカートニーだ。ポールのいないビートルズはあり得ない」。野田佳彦前首相は昨年11月の衆院解散の直後、米国のオバマ大統領にこんな表現で環太平洋経済連携協定(TPP)の参加へ強い意欲を示していた。
野田氏は昨年11月16日に衆院を解散。オバマ氏とはその4日後にカンボジアで会談した。日米関係筋によると野田氏は「米国はジョン・レノンだ。2人でハーモニーを」と日米でTPPを主導していく必要性を強調した。オバマ氏は「リンゴ・スターが誰(どの国)かは言わないが……」と応じ、上機嫌だったという。
この会談について、日本側は「首相はTPPに関し協議を加速したいと述べ、大統領の理解を得た」との説明にとどめている。解散後の衆院選で民主党は野党に転落し、TPP交渉への参加表明は安倍晋三首相にバトンタッチされた。
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朝日新聞官邸クラブ