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【スポーツ】

浦和学院初優勝 猛打で安楽KO

2013年4月4日 8時23分

済美−浦和学院 初優勝を決め歓喜の浦和学院ナイン=甲子園球場で(七森祐也撮影)

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◇センバツ高校野球<最終日>

 浦和学院(埼玉)が17−1で済美(愛媛)を破って春夏を通じて初の優勝を飾った。済美の2年生右腕、安楽智大投手を5回に攻略、8安打を浴びせ一挙7点を奪って勝負を決めた。5試合すべてで打点を挙げた山根佑太主将(3年)、3本塁打の高田涼太内野手(3年)らを中心に3試合で2桁得点を挙げた強打が光った。埼玉県勢の優勝は1968年の大宮工以来45年ぶり2度目。

 アルプス席に向かって猛ダッシュする浦和学院ナインは、どの顔も歓喜と充実感に輝いていた。創部35年目で初めて頂点に立った。あの安楽を攻略しての大勝。普段は冗舌な森士(もり・おさむ)監督(48)は「ホントに、うれしいのひと言。選手たちがよくやってくれました」と声を詰まらせた。

 先制されたが、「小島がここまで頑張ってくれたんだから、上級生が点を取ってやらないと。そういう思いで一丸になった」と主将の山根佑太外野手(3年)。5回は3連打で同点に追い付いたところでスクイズ失敗。それでも2死満塁から山根が2点中前打で勝ち越し。これが5連打の口火となり、勝負を決めた。

 最後まで手を緩めず8回にも8点を追加。昨年の苦い記憶からの教訓だった。昨春センバツの準々決勝は、大阪桐蔭に8回裏までリードしながら逆転負け。昨秋明治神宮大会でも準々決勝の春江工戦で、2回表までに5−0としながら逆転負け。「試合は最後の最後まで気を抜いてはいけない」と山根。新聞の切り抜きをグラウンドや寮などに張って、悔しさを忘れないようにした。

 昨春以来3季連続甲子園に出場して9勝。だがその前は2005年春から11年春まで出場5度連続で初戦敗退。全国で勝つ難しさを味わった森監督は、母校・東洋大に目を向けた。恩師の野球部・高橋監督の紹介で『山の神』柏原を擁して4年間で3度箱根駅伝を制した陸上競技部の監督と会食。他校より1時間早い午前5時から走りだすという話や、成長ホルモンは午後10時から午前2時に分泌されるという話を聞き、昨年から練習を朝方に変えた。この日も朝5時集合で7時から市尼崎高グラウンドで1時間半練習。山根によると、150キロのマシンを13メートルの距離で打ち、安楽対策をしたという。

 今年正月、森監督は準決勝に勝ってインタビューを受けている初夢を見たという。夢の続きは、最高の現実になった。 (竹村和佳子)

 

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