プロ野球界から史上初の2人同時授与となった舞台裏は――。日本政府は1日、読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄氏(77)と、現役引退したばかりの松井秀喜氏(38)に、国民栄誉賞を授与することを決めたが「なぜ今?」「どうして2人同時?」との疑問があちこちから飛び出した。そこで裏側を探ってみると、なんとも不思議な永田町の論理が存在した。
安倍晋三首相(58)は「長嶋さんはなんといっても、戦後最高のスーパースターですから。そして松井さんは2012年に引退を決定されましたが、日米で最優秀選手、最高殊勲選手になった。日・米で愛された選手です。そういう意味で2人とも国民栄誉賞ということで、お願いしたい」と述べた。長嶋、松井両氏とも受賞に前向きなコメントをしている。
昨年末に松井氏が現役引退を表明したときは、政界からも惜しむ声が相次いだ。菅義偉官房長官(64)は「国民に希望と大きな夢を与え続けた大選手だった。驚きとともに残念だ」。岸田文雄外相(55)は「日米両国の野球ファンを勇気づけ、沸かせた功績は誠に大きい」、石原伸晃環境相(55)も「ワールドシリーズで最優秀選手になったときは感動した」とベタボメが続いた。このときから国民栄誉賞もあるのではと騒がれていた。
同賞と政界は切っても切り離せない。授与が政権浮揚に使われてきたのは、よく知られたところだ。永田町関係者は「国民栄誉賞はきっかけがあってこそ贈れるもの。松井氏には引退というきっかけがあるので分かりますが、きっかけのない長嶋氏も同時というところが“ミソ”でしょう」。
確かに同賞はきっかけが大事だ。女子レスリングの吉田沙保里(30)は世界大会13連覇、なでしこジャパンは女子W杯の初優勝があった。松井氏も引退したが、それをきっかけに、長嶋氏に受賞させることにどんな意味があるのか?
「この賞は『あの人にあげたのに、なぜこの人にあげていないのか』という批判が付き物です。野球界をみれば長嶋氏は受賞していてもおかしくない。大鵬のように“あげ忘れ”がないよう細かい配慮があった」(同関係者)
大鵬(納谷幸喜さん)の場合は亡くなってからの受賞で、「なぜ生前にできなかったのか」という意見も多く出ていた。逆に言えばいくら功績があっても、きっかけがないと授与しにくい。ちなみに王貞治氏(ソフトバンク会長)が受賞したのは、本塁打世界記録を樹立した1977年で、長嶋氏はすでに現役を引退していた。長嶋氏についてはかねて要望はあったが、タイミングを探しあぐねていたのだ。
今回、政府は愛弟子の引退を長嶋氏受賞のきっかけにできたわけだ。
政府関係者は「おじさん世代のヒーローと若者世代のヒーローに同時に授与というのは明るい話題になります。過去にイチロー選手が断ったケースがありましたが、さすがに長嶋氏と同時なら松井氏も断りにくい。参院選を前に、政府与党にとって弾みになるはずです」と絶賛する。
プロ野球人生の恩師である長嶋さんから「松井、よかったな。一緒にもらおう!」と言われたら、結果は推して知るべし…か。いかにも「永田町の計算」だが、これは野党にとっては頭が痛い。
「このままいけば参院選は自民党が圧勝しちゃう。それをつまんないと思うマスコミが、アラ探しをするのだろうけど、史上初の2人同時授与によって、目先を変えるという狙いはあるでしょう」(野党関係者)と指摘する。
師弟授与には、やはり隠された深い理由があったようだ。
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