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うめきた「実験の街」 キタい沸騰

開業を控えたグランフロント大阪(29日午前、大阪市北区で)=尾崎孝撮影

 大阪市北区のJR大阪駅北側の再開発地区「うめきた」の先行開発区域「グランフロント大阪」の建設工事が29日、完了する。大阪の玄関口に4月26日に誕生する7ヘクタールもある「新しい街」は商業施設、ホテル、マンション、研究施設、オフィスと多彩な顔を持つ。にぎわいを生み出す斬新な仕掛けがちりばめられた実験の街でもある。

午前4時まで

 高さ180〜154メートルの超高層ビル4棟のうち、3棟にまたがる商業施設「ショップ&レストラン」は、店舗面積4万4000平方メートルと、都心部の専門店街としては国内最大級だ。

 全266店の3割にあたる77店は飲食店で、うち15店は午前4時まで営業する「眠らない街」となる。運営する阪急電鉄は「大人の新しい『たまり場』になれば」と期待する。

 日本初上陸のインテリア店「ZARA HOME(ザラ・ホーム)」など日本初出店が3店、関西初出店が72店入る。「紀伊国屋書店」「無印良品」もJR大阪駅や阪急梅田駅の店を維持したまま出店する。

次世代店舗

 次世代型の店舗もお目見えする。知的創造拠点「ナレッジキャピタル」内の「フューチャーライフショールーム」は最新技術を体感しながら、買い物や飲食が楽しめる施設だ。クロマグロの完全養殖に世界で初めて成功した近畿大が出店する養殖魚の専門料理店や、植物工場を併設した日本サブウェイのサンドイッチ店などが入る。

 6月には高級ホテル「インターコンチネンタルホテル大阪」も開業する。関西で初めて長期滞在者向けの「サービスレジデンス」を設ける。

 ホテル北隣にあるマンションは8月に入居が始まる。エントランスや住戸は高級ホテルのようなしつらえで最高価格4億1500万円、63戸が1億円以上と「超高額物件」ながら2月までに525戸が完売した。

歩道にカフェ

 グランフロント大阪では、数々の実験的な取り組みが用意されている。

 ナレッジキャピタルには会員制サロンなどを設け、大学や企業の研究者らが日常的に交流する機会を増やす。「うめきた発」の先端技術や商品開発につなげる狙いだ。国の「関西イノベーション国際戦略総合特区」の拠点にも指定されており、産学官が連携して技術革新を後押しする。

 大阪大やパナソニックなど75の大学・企業の入居が決まっているほか、ベンチャー企業や個人の参画申し込みも相次いでいる。

 開発主体の三菱地所、阪急電鉄、オリックス不動産など12社の企業連合が、建設にとどまらず、街の運営にもあたる。大阪駅に近い「うめきた広場」などで連日イベントを開き、全国2例目の公道上のオープンカフェも設置する。巡回バスや貸自転車も用意、巨大な街の中の移動を手助けする。

 ビルだけでなく区域全体を管理する「エリアマネジメント」と呼ばれる新しい手法で、今後のまちづくりに欠かせないとして注目を集めている。

2013年3月29日  読売新聞)
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