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【大相撲】

蒼国来が名古屋場所で復帰

2013年4月4日 紙面から

記者会見を終え、師匠の荒汐親方(右)と握手する蒼国来=東京都内のホテルで

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 日本相撲協会は3日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、八百長問題で解雇無効の判決が出た中国出身の蒼国来(29)の訴訟について、控訴しないことを決定。名古屋場所(7月7日初日・愛知県体育館)に西幕内15枚目で復帰することで合意した。また、外部理事で危機管理委員長の宗像(むなかた)紀夫氏は当時の放駒理事長や特別調査委員会の調査方法などを検証する方針で、解雇や引退に追い込まれた他の親方・力士から申し出があれば再調査することも示唆した。

 2年間の長い闘いから解放され、記者会見のため2年ぶりに国技館に足を踏み入れた蒼国来。喜びと再び土俵に上がれる緊張感が入り交じった顔で報道陣の前に現れた。「(北の湖理事長から)この2年間、つらい思いをさせてすみませんと言ってもらった。心に響く言葉だった。ものすごく感動した」と、感無量の表情を浮かべた。

 名古屋場所から復帰。「理事長やみなさんが考えてくれたことに感謝します。大好きな相撲を幕内で取れることをすごく喜んでいます」と前向きにとらえている。

 師匠の荒汐親方(元小結大豊)も涙をこらえながらが口を開いた。「自分の子供に対して、やっていないのに、おまえやってるんだろ、という気持ちはない。子供がやっていないというから、最初からずっと信じてきた。一人でも冤罪(えんざい)を救えた。蒼国来は信念を貫いてよく頑張った」と弟子を思いやった。

 蒼国来は解雇されてから、まわしを付けてのトレーニングはしてないという。約1年前に知人に紹介してもらった日野自動車ラグビー部で汗を流したが、それも数カ月間ほど。ほかには「筋トレや、ふろに入る前に腰割りを50回とか100回とか」。まわしも締めていない。

 相撲中継も見ることができなかった。「みんな取ってるのに、なぜ私はいないのかって感じたこともある。1年ほど前から少しずつ、最近の何場所かは見られるようになった」と明かした。

 前夜、2年ぶりに荒汐部屋の個室に泊まった。部屋は解雇された当時のままだった。「うれしい以上にうれしい」と感激した。4日から部屋で稽古を再開し、27日の横審稽古総見で公式行事に復帰する。「前向きに、早く取りたいという思いでいっぱい。相撲で恩返しできるような相撲を取りたい。心が折れそうになったことは一切なかった」と言い切った。 (岸本隆)

 

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