NHK福島県のニュース 福島放送局
救助中断の遺族に初の和解案
東日本大震災で家族を亡くした浪江町の住民が、原発事故によって救助活動が中断されたことへの慰謝料の支払いを東京電力に求めている集団申し立てで、国の「紛争解決センター」の仲介委員は、亡くなった人1人につき同居していた親族に20万円から60万円を支払うとする和解案を初めて示しました。
「紛争解決センター」に申し立てをしているのは、浪江町で亡くなった人のうち164人の住民の遺族です。
原発事故によって救助活動が中断され、家族が1か月以上放置された精神的苦痛は大きいとして、亡くなった人1人につき1100万円の慰謝料の支払いを東京電力に求めています。
3日、福島市にある「センター」の支所で2回目の口頭審理が開かれ、仲介委員が初めて和解案を示しました。
それによりますと、亡くなった人1人につき、同居していた親族で配偶者と1親等には60万円、血縁関係がある2親等には40万円、それ以外には20万円を支払うとしています。
東電側は、これまで亡くなった家族の人数に関わらず、配偶者と1親等の遺族1人に対し25万円を支払うという案を示していました。遺族側の代理人の弁護士は、「捜索に行けなかった悔しさや遺体が1か月以上放置された悲しさが伝わった。これまで主張していた遺族たちの苦しみが理解してもらえたと思う」と和解案を評価しました。
遺族の会の代表で、妻を亡くした叶谷守久さんは「金額には満足していないが我々の苦しみ、悲しみは仲介委員が認めてくれたと思っています」と話していました。
04月03日 20時04分
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