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最終更新:2013年4月4日(木) 2時19分

菅長官が就任後初めて沖縄訪問、国会議員の常駐検討

 菅官房長官は3日、就任後はじめて沖縄を訪問しました。仲井間知事との会談では、普天間基地の辺野古への移設に理解を求めたほか、地元の新聞、テレビなどを相次いで訪ねて意見を聞くなど、異例の「メディア行脚」にも乗り出しました。

 「朝早くから大変ですね」(沖縄県 仲井真弘多 知事)

 「いえいえいえ」(菅義偉 官房長官)

 菅官房長官の顔に笑みがこぼれます。和やかな雰囲気で始まって会談ですが、話題が普天間基地の移設問題におよぶと空気は一変しました。

 「辺野古は時間がかかるから、他の県外ですよと申し上げている」(沖縄県 仲井真弘多 知事)

 あくまで“県外移設”を主張する仲井真知事に対し、菅長官は・・・

 「普天間飛行場の固定化は絶対あってはならない。日米のこれまでの合意に基づいた中で進めていきたい」(菅義偉 官房長官)

 互いの主張は平行線のままで終わりました。続く宜野湾市役所でも、菅長官を迎えたのは県外移設を求める声でした。

 「(普天間基地は)県外に移した方がいい。沖縄県民としてはそれが望み」
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 防衛省と辺野古沖の漁業権を持つ名護漁協は先月、政府が20億円台の補償金を支払うことで合意。これをもって、政府が沖縄県に埋め立て許可を申請しました。しかし、辺野古に近い宜野座村漁協には、“同意”はおろか“連絡もきていない”といいます。漁師たちからは不安の声があがります。

 「(基地の移設で)漁業ができなくなるので、漁獲量が少なくなって大変。(Q.何の説明もない?)何の説明もありません。結果ありきじゃないでしょうか。向こう(辺野古)につくるんだと」(宜野座村漁業協同組合 城間盛春 組合長)

 今回の沖縄訪問に強い意気込みを見せていたという菅長官。政府は沖縄訪問にあわせて、国会議員を政府代表として沖縄に常駐させることができないか検討していることがJNNの取材で明らかになりました。

 午後、菅官房長官は地元の新聞社やテレビ局を訪れました。異例ともいえる「メディア行脚」です。

 「沖縄の報道関係の皆さんとも会談することができました。沖縄の皆さんの思いが、それなりに現地に来てですね、思うことができたのかな」(菅義偉 官房長官)

 沖縄での日程を終え、手ごたえを口にした菅長官ですが、地元の新聞社「沖縄タイムス」との会談では、こんな厳しいやりとりもありました。

 「辺野古の基地の負担は難しい。私たちが取材している中でも民意は一致している」(沖縄タイムス側)

 新聞社側の意見に、菅長官がすぐさま反論する場面も・・・
 「地元の頭越しに地元の意向をほとんど聞いていない。上の方で勝手に声を無視する形で合意しているのではというのが本音」(沖縄タイムス側)

 「法律に基づいて、漁協の皆さんから同意をもらったのは事実ですので」(菅義偉 官房長官)

 社内では4日の朝刊に向けて、慌ただしく作業が進んでいました。地元メディアは菅長官の訪問をどう報じるのでしょうか。

Q.明日の見出しは?
 「『知事 県外移設を主張』と打つと思う」

Q.これで決まり?
 「このトーンでいく、いきます」(沖縄タイムス編集局 平良武 次長)

 異例の「メディア行脚」も「手順を踏んだに過ぎない」と、ばっさり切り捨てました。

 「いかんせん各社10分ですよね、沖縄タイムスもほんの10分。県民に一番近い報道機関から県民の声を聞いたと言われるのは心外。本来ならもっとじっくり時間をかけて沖縄県民の声を聞いてほしかった」(沖縄タイムス編集局 武富和彦 局長)

 政府に沖縄の声は届いたのでしょうか。まだまだ溝は深い。(03日22:16)

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