経済アベノミクス、本音では信用していない金融機関:ロイター コラムニスト 田巻一彦+(1/2ページ)(2013.4.3 10:02

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アベノミクス、本音では信用していない金融機関:ロイター コラムニスト 田巻一彦

2013.4.3 10:02 (1/2ページ)

 アベノミクスの成果として政府・与党が指摘する株価の上昇で、誰が多くのメリットを受けているのか。東京証券取引所1部の投資部門別売買状況をみると、今年1月から3月22日までに海外投資家が3兆2577億円を買い越し、株価上昇の恩恵を最大限に受けている。個人は2046億円の小幅買い越しで換金売りのスタンスだ。これに対し、銀行、生保などの金融機関は2兆8409億円と大幅に売り越し、アベノミクスの先行きに疑心暗鬼という本音が透けて見えるようだ。

 日経平均は3月21日に1万2650円26銭の高値を付け、年初から20%を超す上昇となっている。最大要因は、アベノミクスをマーケットが好感している構図だ。市場では「個人投資家の買いが活発」(大手銀行関係者)「1億円超を日本株に投資し、短期間で3000万円を超す収益を得た個人の話も聞く」(外資系証券関係者)という景気のいい話が飛び交っている。だが、大幅な買い越しとみられていた個人は、2月4日から3月1日の1カ月間に3135億円の買い越しだったものの、3月4日から15日までに2790億円の売り越しとなり、1月から3月22日まで2046億円の買い越しとなった。

 こうしてみると、保有資産の時価評価増大のメリットを最大に受けたのは、日本国内の個人や機関投資家ではなく、海外投資家だったということがわかる。アベノミクスの序盤の好調な滑り出しは「海外投資家の期待に働きかけた」結果と表現できるのではないか。

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