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災害時要援護者 名簿作成義務付けへ
3月28日 4時23分

災害時要援護者 名簿作成義務付けへ
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東日本大震災で、多くの障害者や高齢者が犠牲になったことを受けて、内閣府は災害時に支援が必要な人の名簿の作成を自治体に義務づける方針を固めました。
避難を手助けする人たちに名簿をあらかじめ渡しておくことで、犠牲者を少しでも減らすことにつなげたいとしています。

災害時の避難や避難後の生活で支援が必要になる障害者や高齢者について、内閣府はガイドラインで名前や住所をまとめた名簿をあらかじめ作ることを自治体に求めています。
しかし、東日本大震災では、名簿が作成されていなかったり、名簿があっても支援する側に渡っていなかったりして、岩手、宮城、福島の3県で多くの犠牲者が出ました。
このため、内閣府は障害者や高齢者など「災害時要援護者」の避難方法を専門家や自治体の担当者などと議論してきました。
この中で、個人情報保護法の手続きが煩雑だという理由で名簿が作られない現状があり、ガイドラインでは不十分だと指摘されたことから、内閣府は自治体に対し、法律で名簿の作成を義務づける方針を固めました。
さらに、速やかな避難や支援につなげるため、避難を手助けする民生委員や消防団員に本人の同意を得て名簿を事前に渡すことを自治体に対し求めることにしています。
内閣府は、名簿の作成を義務づける災害対策基本法の改正案を現在開会中の通常国会に提出する方針です。

現状と課題

災害時に支援が必要な「災害時要援護者」の名簿をあらかじめ作成するよう求めたガイドラインを国がまとめたのは平成16年に「新潟・福島豪雨」などで多くの高齢者が犠牲になったことがきっかけでした。
しかし、名簿の作成は思うように進んでおらず、総務省消防庁のまとめによりますと、去年4月の時点で名簿の作成を終えたのは全国の自治体の64%にとどまっています。
しかも、ほとんどの自治体は担当者が要援護者に同意を取ったり、要援護者みずからが名乗り出てもらう方式を取っているため、支援が必要な人全員が名簿に載っているわけではありません。
また、名簿の活用方法も十分に議論されていません。
内閣府が宮城県と福島県の沿岸で名簿を作成してあった自治体に震災時の対応を聞いたところ、「緊急時には消防団員などへ渡すことにしていたが、職員も被災して混乱し、名簿を開示できなかった」と災害時に活用できなかったケースが複数あったということです。

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