上毛新聞“縁もゆかりもない”大スクープ「社長賞でも足りないのではないか」

　前日の１日午後、政府が発表した松井秀喜氏（３８）、長嶋茂雄氏（７７）への国民栄誉賞の授与。同日付の紙面で正式決定を「スクープ」したのは、群馬県の地方紙・上毛新聞だった。

　地方紙とあり通常、１面には県内の話題を掲載する。松井、長嶋氏は群馬県とは縁もゆかりもない。編集局では３１日夜に協議を重ね、１面に「長嶋、松井氏に国民栄誉賞」との４段見出しを、２面に２６行の記事を掲載した。

　報道機関が一斉に「後追い」をし、政府も午後には正式発表。同県が地元の自民党・山本一太参議院議員は、自身が情報源ではないかとの説に「そんなこと、５００％、あり得ない！（笑）」と自らブログに書き込んだ。列島は、地方紙発のニュースに揺れた。

　「（スクープによる）賞の話は出ている。でも社長賞でも足りないのではないか」と同幹部。全国紙、テレビキー局など並み居る報道機関を、ものの見事に出し抜いた。