ミニゲームでヒールパスを見せる小川(右端)=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
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名古屋グランパスのMF小川佳純(28)が2日、ドラガン・ストイコビッチ監督(48)から叱咤(しった)激励された。3日のナビスコ杯FC東京戦に向けた前日会見で小川について問われた指揮官は、「マンチーニのナスリへのコメントを読んだが、私も同じ気持ちだ」と返答。英プレミアリーグ、マンチェスター・シティの指揮官の「1発殴ってやりたい」という過激コメントを引用し、さらなる奮起を促した。
復活を期す10番を後押しすべく、過激なピクシー節が飛び出した。FC東京戦への最終調整を見守ったストイコビッチ監督。先月30日のリーグ湘南戦で今季初ゴールを挙げた小川のパフォーマンスについて問われるとニヤリと返答した。
「去年より良くなっていると願っている。そういう彼を待っているし、私より本人がわかっているだろう。先日マンチーニ監督のナスリについてのコメントを読んだが、私も同じ気持ちだ」
マンチーニ監督のコメントとは、高い能力を安定して発揮できないナスリに対し、「彼を1発殴ってやりたい」というもの。小川も新人王を獲得した08年以降、右肩下がりのパフォーマンスを続けており、現在のグランパスでは最も奮起を期待される選手の1人だ。
もちろん本人の自覚も相当なものだ。「正直、ここ2、3年くらいは納得のいく結果を出せていないし、1点とって安心するんじゃなく、ゴールを重ねて貢献しないと。今年は特に強い気持ちで臨んでいる」。湘南戦でのゴールにより、若手FW田中輝に譲っていたFC東京戦の先発の座も有力になった。連続ゴールを挙げれば、揺らいでいた立場は盤石となる。
「監督は直接言ったりする人ではないけど、心の中ではずっと思っていたのかも。でも常にもっとできると思われている方が、選手としては満足しなくていい」。指揮官の過激発言も自らの糧にできる精神力こそが小川を支えてきたもの。逆襲の1年へ−。もう殴りたいなどとは思わせない。 (宮崎厚志)
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