「会社員の皆さん、若輩から一言」

「会社って要するに、体育会の部活なんですね!」

あなたの職場もブカツマインドで動いてる?

バックナンバー

2013年4月3日(水)

3/5ページ

印刷ページ

 とはいえ、学生の私たちがこんなことを考えていては、「学生の考えることはお気楽でいいよね」とNBOの読者の皆様にお叱りをいただくかもしれない。もちろん、体育会系でお金を稼ぐ実務をすることはほとんどありません。まるっきり同じと言うことではなく、組織として求める素養、経験、振る舞いが同じ、ということです。

 では、社会人の方からは体育会系部活出身者はどう見えるのだろう。Yさんにご紹介をお願いし、MとHで揃って実際に人事を見ている会社員の方にお会いして、お話を聞いてみることにしました。

体育会出身のやつらは「めんどくさくない」んだよね!!

 今回私たちのためにお時間を割いていただいたのは、某大手企業の人事担当のDさんです。大学時代は軟式野球部に所属し、日々汗を流していたそうです。H君とは話が合って、ベースボールネタで盛り上がっています。早速、お聞きしてみましょう。

H:社会人の方から、体育会出身者はどのように見えるでしょうか?

Dさん:思い切り簡単に言ってしまえば「めんどくさくない」んです!

M:めんどくさくない? どういうことですか?

Dさん:例えば、社内で飲み会をすることになったとしましょう。MさんもHさんも、先輩に飲み会のセッティングを頼まれたら、すぐ人数を確認し、店に予約をいれるでしょ?

MH:はい。もちろんです。

Dさん:これが体育会出身者以外だと、「え、どうしてそんなことを僕がやるんでしょうか」と、理由を尋ねてきたりして、まず「やらなくてすむかどうか」を聞いてくるんだよ。その点、体育会だった者は、先輩、監督さんの言葉は「やれ!と言われたらやる!」。これが身についているから、めんどくさくない。言い換えると、「理不尽に免疫がある」のかな。

H:理不尽に免疫ですか。自然に部活動で免疫がついていたのかな…

M:それって「会社は理不尽なところだ」ってことでしょうか。

Dさん:会社に限らず、世の中には理不尽なことも多いのです。人事の仕事をしていれば、誰だってそう思うはずです。

 例えば、自分への「人事評価」には、納得できないことってたくさんあるんですよ。

M:大学の成績なら、勉強していないから自業自得と思えますが…。

Dさん:でも、人事評価はペーパーテストとは違う。運や相性が大きく作用する。突き詰めていけば、評価者の趣味嗜好偏見がどこかに絶対に入ります。それでも、当社のベテラン社員でさえ人事部に対して「100人が100人、誰が見ても納得できるような人事評価をしてほしい」、と、本気で言ってくる方がたくさんいます。

 もちろん、その気持ちはわかります。自分の実力を客観的に見て、公正に評価して欲しい。当然です。そして、それは絶対に叶えられない願いなんです。

M:じゃあ、会社員の方はそれにどうやって耐えているんですか?

Dさん:例えば、高校野球のベンチに入れるのは20人までと決まっていますよね。

H:はい。


バックナンバー>>一覧

関連記事

参考度
お薦め度
投票結果

若輩ライターズ2012

都内某大手私立大学の学生たちが、突然「会社員の世界を外から見てどう感じるかを日経ビジネスオンラインに書け」という授業に巻き込まれ、「真面目な授業だと思って登録したのに」と泣きながら執筆に挑む。文章のつたなさ、分析のアマさはあれど、我々の世界の「おかしさ」、歪み方は、いっさい「会社」を知らない彼ら彼女らだからこそ見える…はずだ。

記事を探す

読みましたか〜読者注目の記事