◇楽天8−2オリックス
楽天は投打がかみ合って3連勝。今季初登板の田中は7イニング1失点と好投。打線は同点の4回に嶋の2点三塁打で勝ち越し、その後も着実に加点。嶋は先制打を含む4打点と活躍。オリックスは4投手すべてが失点と精彩を欠いた。
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今年の主役は楽天だ。地元仙台での今季初戦。冬の寒さに白い息が浮かぶ中、マウンド上には熱い男がいた。エース田中が仁王立ち。初登板を白星で飾り、チームは3連勝。チームメートとハイタッチを交わすと、笑顔がはじけた。
「良い流れに乗って投げようと思っていた。勝つことができて、ホッとしています」。開幕カードに勝ち越した勢いを田中が加速させた。小雨の中、7イニングを1失点。わずか89球の省エネ投球にも「もう十分です」とニヤリ。大黒柱の風格を漂わせた。
侍ジャパンで世界一。楽天で日本一。年明けに2つの誓いを立てた。WBCで目的地に到達することはできなかった。ただ、オフから早めに仕上げてきたことで、ペナントレースには余裕を持って突入した。
「ホントに緊張しなかった。怖いぐらい。WBCでやってきたのが大きいと思う。もう、とっくに開幕している、という感じだった」
自信の裏付けもつかんでいた。侍ジャパンで習得したカーブだ。東尾投手総合コーチと阿部から「速い球だけではダメ」と指摘を受け、摂津や前田健らの投球をスロー映像で分析。すると「抜くイメージができた」。この夜も100キロ台のカーブを効果的に使い、的を絞らせなかった。
春季キャンプ恒例の声出しでは「今年の野球界の主役は俺たち楽天だ!」と宣言した。その言葉どおり、3勝1敗の好発進。ジョーンズとマギーのヤ軍コンビが加入した攻撃陣は、この日も8点を奪う頼もしさを見せた。「現時点で、ですけど、昨年と全然違うと思う」。田中も自軍の変化を実感。悲願のリーグ制覇、そして日本一へ、期待十分の滑り出しだ。 (井上学)
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