始球式を務めた松田聖子(左)を笑顔でみつめる和田監督(右)【拡大】
(セ・リーグ、阪神4x-3中日、1回戦、阪神1勝、2日、京セラドーム大阪)指揮官の声は、かすれていた。西岡のサヨナラ打の瞬間、手を上げて絶叫した。和田監督が執念の采配で、ホーム開幕星をたぐり寄せた。
「神宮では苦しいゲームになったが、こういう僅差をひろえると違う。勢いのつく勝ち方だった」
同点で迎えた九回。先頭で藤井彰に代打・坂を送り、左前打で出塁。代走の荒木を送り、次も代打、小宮山を告げた。バントの失敗で苦い思いをしてきた男だが、それでも使命を課した。しかし、送りバントを決められない。フルカウントからスイング。打球は二遊間をしぶとく割り、西岡へとつながった。
「バントをしっかり決めないといけない。結果オーライです」。小宮山は振り返ったが、試合後の将が「よくつないだ」と開口一番に名前を挙げるほど重要な場面。場数を踏むことで成長を促す意図があったのか。