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肉質柔らか、脂身に甘み 恵庭発「百合豚」が好評 農家2軒、ブランド化に力

(04/02 16:00)

恵庭産のブランド豚を使った「NOMIKUI百合屋」のしゃぶしゃぶ

恵庭産のブランド豚を使った「NOMIKUI百合屋」のしゃぶしゃぶ

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 【恵庭】市内の2軒の養豚農家が、道産小麦を飼料として与え、飼育方法にこだわった「ブランド豚」の生産に力を入れている。飼料価格の高騰や環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加決定などで逆風が強まる中、付加価値を高める飼育に活路を求めた。肉質の柔らかさと甘みのある脂身が好評を得て、地元飲食店も「百合豚(ひゃくあいとん)」と名付けて提供。恵庭産豚肉が地元でじわじわと浸透してきている。

 生産しているのは、市内上山口の野村彰さん(45)と小林義光さん(57)。輸入飼料の高騰や豚肉価格の低迷に加え、TPPへの懸念もあり、3年前から協力してブランド化に取り組んでいる。

 飼料には、自家製粉した道産小麦や米粉などを配合した共通の飼料を使用。一般の養豚農家より1匹当たりの飼育面積を2倍以上広くすることで豚のストレスを減らし、柔らかい肉質を作りだした。

 大手の食肉卸からの引き合いもあり、出荷価格は通常の豚より1匹当たり千〜2千円ほど高い。2軒の合計の年間出荷数は生産を始めた当時の約6倍の約3600匹に増えている。

 当初は特定の名前を付けずに「ブランド豚」として出荷していたが、地元の飲食店で徐々に人気が上昇。市内の居酒屋「NOMIKUI百合屋(ゆりや)」(栄恵町)では、2年前から野村さんと小林さんの許可を得て、店名の漢字にちなみ「百合豚」と名付けて提供している。しゃぶしゃぶや豚丼などメニュー約20種に使用し、道北からわざわざ足を運ぶファンもいる。

 評判を聞いた市内の釜飯店「いちえ」(柏木町)も約1年半前から同様に百合豚の網焼きなどを出し始めた。

 ただ、市内での消費はまだ出荷量の1割未満。大半は「道産ブランド豚」として道外に流通している。野村さんは「地元の人に食べてもらえるように市内でさらに販路拡大を目指したい」と話している。(斉藤千絵)

報道センターから

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