楽天・田中が２日、オリックスとの本拠地開幕戦（Ｋスタ宮城）に今季初先発。７回５安打４奪三振１失点の力投でチームの３連勝に貢献し、今季初勝利を挙げた。

　最低気温２度、時々小雨が降りしきるナイター。そんなコンディションに制球を乱しながらも、エースは快投を見せた。

　味方に先制点を援護してもらった直後の３回、先頭打者に四球。その後二死三塁とされると、坂口へのスライダーが高めに浮き同点適時打を献上。一歩間違えれば、大崩れしそうな雰囲気だったが、ここで役に立ったのがカーブだ。

　１００キロ台の緩い球でタイミングを外し、オリックスの強力打線に的を絞らせない。ＷＢＣで“封印”を解いた球種で４回以降をしのいだ。すると、女房役・嶋が３安打４打点、マギーも２安打２打点。自身の粘投で打線の奮起を呼び込んだ。

　代表ではボールの違いに苦戦し、カーブの重要性を感じた。これまでカーブを持ち球にしていたことはあるが、出来はイマイチ。「（佐藤投手コーチや）いろんな人に教わったけど、まったく投げられなかったですからね」（田中）。その後は持ち球から外していたが、代表期間中にあるきっかけで感覚をつかんだ。「試合中、ベンチで球場のリプレーばっか見ていたんです。それでカーブを投げる投手の手元を参考にして自分でもやってみたんです」。広島・前田健、西武・涌井などカーブの使い手の投げ方をまねて自分のものにしたという。

「これまではスライダー、スプリットと全部速い球での組み立てだったけど、カーブが入ったことで幅が広がった」とマー君。新たな武器を手に今年こそチームを優勝に導く。