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武雄市図書館:改装オープン 指定管理者・TSUTAYA、批判や疑問続く /佐賀

毎日新聞 4月2日(火)15時58分配信

 武雄市図書館が1日、改装オープンした。レンタル大手TSUTAYAを運営する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)が指定管理者として、市と二人三脚で新しい図書館像を目指すが、市内外からの批判や疑問は続きそうだ。【渡部正隆】

 ■商業施設?
 館内に入ると、蔦屋(つたや)書店の雑誌や本の売り場がある。右を向けばスターバックスコーヒー、左を向けば音楽と映像の有料レンタルコーナーである。これを見て、武雄市図書館・歴史資料館を学習する市民の会の井上一夫代表世話人は「市長は教育施設を商業施設に変えた」と非難した。
 日本図書館協会によると、全国の公立図書館の9%が指定管理者制度を導入している。だが、経費節減が主眼の同制度は「公立図書館にはふさわしくない」としている。
 一方、CCCは「民業の利益が見込めるので職員の解雇なしで図書館を継承できた。司書によるレファレンス(調査相談)機能も向上させるが、それも利益があればこそ」と反論。樋渡啓祐市長も「開館時間の4時間延長や年中無休はCCCだからできた。今回の指定管理は利益の出る点で従来の制度とは異なる」と語る。
 ■心は同じ
 テープカットの後、CCCの増田宗昭CEOは「インターネットが普及し、人口構成も変わっている。図書館も変わらなければ」と語った。樋渡市長も「図書館法は規制が多すぎる。文部科学省には『地方に決めさせてくれ』と文句を言いたい。今後は市民の意見を大切にして、規制をぶっ壊す図書館を目指したい」とぶち上げた。
 図書館問題で市長は「市民価値」を、CCCは「顧客価値」をよく強調する。「事業者でなく利用者の視点で計画立案する」意味のようだが、用語も内容もよく似ている。
 ■撤退か拡大か
 「CCCは営利企業。利益が出なくなれば武雄から撤退する」と懸念の声がある一方で「武雄で成功を収めたら、そのビジネスモデルを全国の公立図書館に広げる作戦では」と勘ぐる声も聞く。
 CCCの幹部社員は「5年間の指定管理はお約束ですから守る」と語る。樋渡市長も「次は5年以上の契約期間になるかも」と撤退説を真っ向否定した。
 全国展開説も増田CEOは「考えていない」と否定。だが、市長が東京の代官山蔦屋書店を知り、それが武雄市図書館の指定管理につながった。「話がこんなふうに展開するとは、誰も想像しなかった。(指定管理の)オファーはまだないが、いろいろ問い合わせは多い」と社員は話した。
4月2日朝刊

最終更新:4月2日(火)15時58分

毎日新聞

 

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