2経子役
高橋愛インタビュー
「平清盛」の出演が決まった報告を、祖父の誕生日にしたのですが、祖父に「いいプレゼントやわー」と喜んでもらえました。自分の人生にとっても、大きな経験です。私は24話からの途中参加でしたが、実は「平清盛は悪者」という学校で習ったままの知識で、収録に臨みました。でも、物語が進むにつれて、清盛が歴史に残る偉業の数々をやり遂げたことを知りました。
確かに、物語の後半になるにつれて、清盛は暴走を始めますが、偉業実現のためにはしかたのない部分も。清盛は目先ではなく未来を見据えて動いています。本気で教科書を書き換えてほしいです(笑)。
今回、夫の重盛様は亡くなりますが、その死は、清盛が過去の行動を省みる大きな契機になったと思います。でも、父・清盛と後白河法皇との板挟みになる重盛様が、本当に気の毒で……。重盛様は、平家の棟梁(とうりょう)としては繊細すぎたのでしょう。身内のはずの平家の中にも、複雑なわだかまりがたくさんありましたから、病気になったのも、ストレスに押しつぶされてしまったせいなのかもしれませんね。
そんな重盛様に、けなげについていく経子は、絵にかいたように“できた妻”。重盛様も、経子の前でしか見せない顔を見せています。重盛役の窪田くんとも、いつも「いやー、いい奥さんだね」、「いやー、いい旦那さんだよ」と言い合っていました。実は窪田くんのほうが年下なのですが、それを忘れるくらい寛大でしっかりしていて。お芝居になるとスイッチが入って、ふだんと全然違うキャラクターになるんですよね。私は言葉より表情の演技が多くて、その表現が難しかったのですが、私自身、窪田くんから学ぶことは多かったですね。
第37回より。けなげな妻・経子は、夫・重盛の読書につきあう。