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焦点:無料通話アプリの利用者急増、フェイスブック脅かす存在に

ロイター 4月2日(火)8時53分配信

焦点:無料通話アプリの利用者急増、フェイスブック脅かす存在に

3月31日、北米やアジア、欧州の若者の間で、無料通話・無料メールのアプリ利用者が急増しており、将来的にSNS大手の米フェイスブックの脅威となる勢いをみせている。ブルガリアの首都ソフィアで1月撮影(2013年 ロイター/Stoyan Nenov)

[サンフランシスコ 31日 ロイター] 北米やアジア、欧州の若者の間で、無料通話・無料メールのアプリ利用者が急増しており、将来的にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手の米フェイスブック<FB.O>の脅威となる勢いをみせている。

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インターネット上で友達とネットワークを作ったり、写真や動画、音楽を共有したりする場は、約10億人のユーザーを抱えるフェイスブックが主流となっている。

しかし、スマートフォンの急速な普及に伴い、北米ではKik MessengerやWhatsappメッセンジャー、アジアではカカオトークやLINE、中国・騰訊控股(テンセント)<0700.HK>のWeChatなど、無料で提供される通話・メールアプリの利用者が急増。加オンタリオ州を拠点とするKikは2010年の発表以降、4000万人のユーザーを獲得した。WeChatのユーザー数はツイッターよりもはるかに多い4億人であるほか、LINEは1億2000万人、カカオトークは8000万人に上る。

英北東部ニューカッスルの高校生、ジェイコブ・ロビンソンさん(15)は、6カ月前に友人たちの間でKikが爆発的にはやり出したとし、「ベッドで携帯を手に夜更かししながら、友人たちとユーチューブでおかしな動画を探して共有したりしている。Kikなら簡単にできる」と話した。1日200回はKikで情報をやり取りしているとし、リアルタイム性という点でフェイスブックは「魅力を失い始めた」と述べた。

<モバイルの波>

こうした無料通話・メールアプリの成長は、ここ数年でインターネット利用が劇的に変化していることの表れと言える。パソコン経由でのネット利用が成長頭打ちとなる一方で、スマートフォンの所有者数とモバイルアプリのダウンロード回数はうなぎ上りだ。

フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は自社を「モバイル・カンパニー」と呼び、モバイル分野が同社にとって最優先であることを強調。同社は昨年、写真共有アプリのインスタグラムを10億ドルで買収したほか、独自の携帯用メッセンジャーアプリも投入した。

その一方で、フェイスブックは防戦も強いられている。今年に入り、同社は数秒間でメッセージが消えるアプリ「スナップチャット」とのデータ統合を廃止し、その代わりに同様の独自アプリ「ポーク」をリリース。また、事情に詳しい関係筋によると、フェイスブックはLINEが提供しているようなスタンプを作成するため、グラフィックアーティストを雇ったという。

もちろん、こうしたメッセージングアプリを好む若者の多くも依然フェイスブックのユーザーであり、フェイスブックがSNSでトップの座を失う兆しはまだあまりない。同社は今週、グーグルの携帯端末向け基本ソフト(OS)「アンドロイド」に関連したニュースを発表する予定であり、フェイスブックのメッセージングツールへの統合性を高めたアンドロイドの新バージョンや、独自の携帯電話フェイスブックフォンなどが発表される可能性があるとみられている。

しかし、シリコンバレーの投資家や業界関係者は、向こう数年間で無料通話・メールアプリがフェイスブックの牙城を崩す可能性があると指摘。一部の無料通話・メールアプリはすでに、ゲームなどのアプリをサポートする本格的な「プラットフォーム」として進化しつつある。

<プラットフォーム戦争>

フェイスブックなど既存SNSがメッセージング機能を強化する一方、新興メッセージングアプリは、さまざまな機能を提供できるプラットフォーム化への道を模索している。

ベンチャーキャピタル会社ソフトテックのチャールズ・ハドソン氏は「ソーシャルネットワークの定石は、まずネットワークを作り、次に独自アプリを展開し、それからサードパーティーの開発者に開放することだ」と語る。こうした手法は、フェイスブックもたどってきた道だ。

韓国市場を例に取ると、アンドロイド向けアプリ市場では、売り上げトップ10本のうち8本はカカオトーク上で遊べるゲームだ。また中国テンセントは昨年11月、WeChatでのモバイル決済システム導入を発表している。

メッセージングアプリの利用者がある程度の規模に広がれば、フェイスブックを脅かすネットワークになる。セコイア・キャピタルのジム・ゲッツ氏は「携帯のアドレス帳の中身とフェイスブックの友達リストは全然違うはずだ」と指摘。携帯で連絡を取り合うような間柄こそ、力強い「ソーシャルグラフ」が作られるのに最適だと語っている。

(原文執筆:Gerry Shih、Alexei Oreskovic 翻訳・編集:伊藤典子、宮井伸明)

最終更新:4月2日(火)10時20分

ロイター

 

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