ローカルニュース

「私立マンガ図書館」が読めるカフェ 取り組み広がる

2013年03月31日

 鳥取市内のカフェで、個人所有の漫画を設置し、多くの人に読んでもらおうという取り組みが静かに広がっている。昨年の「国際まんが博」に合わせて始まった「私立(わたくしりつ)マンガ図書館」の流れをくむ取り組みで、漫画が読めるカフェなども増えつつある。

私立マンガ図書館が読める図書館として再登場

 「私立マンガ図書館」はまんが博に合わせ、「漫画は極めて私的なもの」と同市内の書店で、漫画コラムニストの夏目房之介さんら漫画にただならぬ思いを寄せる県内外の有志十数人が自身の蔵書を紹介したのが始まりだ。

 発案者であるデザイナーの角田治さん(47)=同市若葉台北3丁目=が「多くの人にじっくり読んでもらいたい」と、タオカフェ(同市扇町)店主、深沢佳代子さんに持ちかけ快諾。角田さんが本棚を設置し、フランスの「闇の国々」(ブノワ・ペータース)「天空のビバンドム」(ニコラ・ド・クレシー)、雑誌「ユーロマンガ」、同市出身の谷口ジローさんの漫画など約50冊を置いている。

 角田さんの取り組みを知った有志の一人、建築士の赤山渉さんも「別のカフェでやりたい」と森の生活者(同市弥生町)店主、森木陽子さんに依頼。4月には萩尾望都さんや大島弓子さんらの少女漫画が設置される予定だ。赤山さんは「お気に入りの漫画をお気に入りの場所で読みたいという願望」と笑う。

 タオカフェの深沢さんは、「店には自分が選んだ雑誌と本しかなかったので、角田さんが薦める漫画を置くことでいい風が入ってくるかなと。漫画は時代背景や世代、性別を超えて楽しめる娯楽。お客さまもじっくり読んでいる」と楽しそう。

 角田さんは「書店での蔵書展は著名な方の蔵書や貴重なものがメーンだったので陳列スタイルにならざるを得なかった。私の漫画だけでも読んでもらえたら、しかもコーヒーを飲みながら」と話す。

 角田さんらは今後も漫画の読書会を企画したり、私立マンガ図書館の蔵書が読めるカフェも増やしたりしていくことにしている。



注目の情報
おでかけナビ スマホ版
「おでかけナビ」が携帯、スマートフォンに対応
地元のイベント情報が簡単に検索できる「おでかけナビ」が、今話題のスマートフォンや携帯電話に対応。おでかけ先でも素早くイベント情報をチェックしよう