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【ゼロから分かる】武雄市(下)フェイスブック活用法

qBiz 西日本新聞経済電子版 4月2日(火)10時37分配信

【ゼロから分かる】武雄市(下)フェイスブック活用法

職員のフェイスブックの活用策について説明する樋渡啓祐・武雄市長

 先駆的な取り組みが注目される佐賀県武雄市の戦略をおさらいする「ゼロから分かる(下)」では、インターネットの会員制交流サイト「フェイスブック(FB)」の活用について紹介する。

 ◆   ◆

 Q 佐賀県武雄市は、フェイスブック(FB)をどう活用しているの。

 A 武雄市は2011年8月、ホームページ(HP)をFBに完全移行したんだ。これまでのHPは市からの情報提供を主としていたけれど、FB移行後は市役所と市民による双方向のやりとりが見える形で行われるようになった。市民が行政への質問を書き込めば、フェイスブック・シティ課の職員を中心に回答する。災害時には土建業者から土砂崩れなどの情報が寄せられたこともあるよ。

 Q 武雄市ではどれくらいの人がFBを利用しているのだろう。

 A 市職員はほぼ全員に当たる約390人がFBに登録している。ただ市民の登録は少ないのが現状だ。フェイスブック・シティ課によると人口約5万人に対し「4千人程度」だそうだ。そのため、全戸に配布する行政情報をまとめた紙媒体の市報発行にも力を入れている。

 Q ほかの活用法は。

 A 実名登録が多いFBの特性に着目して、11年11月に、市直営のネット通販「FB良品」をスタートさせた。FBは会員が近況を書き込んだり、共感を表す「いいね!」のボタンを押したりすると、FB内の“友達”に通知される仕組みになっていて「口コミによる宣伝力が大きい」と樋渡啓祐市長は言っている。地域所得の向上を掲げて出店料を無料、販売手数料を売り上げの5%にして、市側で厳選した特産品を並べている。最初は2点だけだった商品数も約70点に増やし、約1年後には月100万円超の売り上げを達成した。

 Q FB良品を導入している自治体はどれくらいあるのだろう。

 A 武雄市のほか、岩手県陸前高田市、新潟県燕市と三条市、富山県南砺市、鹿児島県薩摩川内市、沖縄県石垣市、栃木県那須町、兵庫県多可町、香川県宇多津町、福岡県大刀洗町が参加している。FB良品は武雄市とネット関連企業2社による共同事業として展開していて、導入には初期費用210万円、維持管理費に月額15万7500円がかかる。昨年12月には参加自治体の通販ページを集めたポータルサイトも開設し、FBの会員でなくても買い物ができるようになった。

 武雄市商工流通課によると、新年度にはさらに20〜30の自治体が増えると見込んでいる。

 Q アジア進出の動きもあるね。

 A 2月に樋渡市長たちがシンガポールの商談会に参加して、FB良品で販売している各地の特産品をPRした。今後、屋台のような可動式店舗を使って現地の市場調査を行い、将来的には海外向けのネット通販を目指す考えだ。樋渡市長はFB良品の参加自治体や佐賀県内の市町に呼びかけて、10月にもシンガポールに地方政府連絡事務所を開設する考えを明らかにしているよ。

 ◆   ◆

 武雄市の取り組みについては、qBiz人気記事ランキングでしばしば上位に挙がります。qBiz創刊半年を機に新設した「ゼロから分かる」コーナーは、今後も読者の期待に応える内容をお届けします。(qBiz編集チーム)

西日本新聞社

最終更新:4月2日(火)10時49分

qBiz 西日本新聞経済電子版

 

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