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2013年4月1日(月) 東奥日報 ニュース



■ 前川國男のバルコニー復元完了

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バルコニーが復元された木村産業研究所
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 国の登録有形文化財で、近代建築の巨匠・前川國男(1905〜86)の第1作として知られる弘前市在府町の「木村産業研究所」で、凍害のため長年失われていたバルコニーの復元が3月末に完了し、約80年前の完成当時の姿を取り戻した。バルコニーの復元を手掛けた前川の直弟子の建築家仲邑孔一さん(76)=東京都=は「バルコニーは、この建築の一番大切な部分。魂をよみがえらせることができた」と話している。

 木村産業研究所は1932(昭和7)年、弘前出身の木村隆三(後の研究所初代理事長)から地場産業の研究機関として建築の依頼を受け、前川が27歳で手掛けた第1作。バルコニーは昭和30年代に凍害のため取り外され、鉄骨の格子がはめられていた。関係者から長年、建築の“顔”だったバルコニーの復元が望まれていた。

 研究所の設計図は戦時中に焼失したが、前川の死去後、仲邑さんが実測して図面や模型を作製していた。今回の工事では、仲邑さんが前川のデザインを再現するとともに、融雪ヒーターや排水環境を整備して凍害対策を講じた。

 同研究所が昨年10月、市の景観重要建造物に指定されたことから、バルコニーなど3カ所の工事費の半分に当たる約142万円を市が助成し、残りの約140万円は「前川國男の建物を大切にする会」(葛西ひろみ代表)が集めた募金でまかなった。研究所の木村文丸理事長(78)は「県内だけでなく、東京や九州からも募金が集まった。立派に復元できてうれしい」と喜ぶ。

 研究所は現在1階が「弘前こぎん研究所」、2階が前川の「プチ博物館」として使われている。

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