韓国の女性アイドルグループKARA。かわいい。彼女たちと争う気など起きない。(写真はWikipediaより)
人種差別デモ「ほっとけ」という解決策
東京の下落合や、大阪の鶴橋などの朝鮮人・韓国人街で、反韓・反鮮デモが毎月1回ほどあるそうだ。メディアは黙殺しているが、ネットでその事情を知った。そしてプラカードに「韓国・朝鮮人を殺せ」という写真が登場していた。(写真出典はこのブログ)
私は腹が立ち、取材に行ってどこかのメディアに持ち込んで報道をしようとした。私はたいして力のないフリー記者だが、記事で事実を伝えることで、社会に良い影響を与えたいと願うためだ。ところが現場を見た、あるメディアの記者が、「石井さん行く必要ないですよ。くだらなさすぎて」と話してくれた。
以下は伝聞だが、ある週の下落合のデモは十数人の小さなもの。カメラなどを人が向けると、参加者はプラカードを向け、スローガンを叫んだそうだ。「目立ちたいだけじゃないんですかね。自分が政治や正義にかかわる高揚感でも味わいたいのでしょうね」。その記者の属するメディアは、伝えるとデモ参加者に利用され、つけあがらせるとの判断で今回は記事化を見送ったそうだ。
ドイツでは1932年、排外主義を唱えるナチス(国家社会主義労働者党)が政権を取った。党の行動する暴力集団であった「突撃隊」は200万人もいた。そこまでの巨大な悪の集団だったら、正義のために戦う価値はある。しかし十数人のしょぼい集団と戦うのは時間のムダだ。私は忙しい。今後行くことはおそらくないだろう。
私は、大多数の日本人の意識の高さに確信を持っている。在日韓国・朝鮮人を攻撃して、問題が解決すると考える愚かな人などほとんどいない。また「朝鮮人を殺せ」などという主張には、日本の良質な人々を説得する知性を感じない。個人的には、韓国の領土要求や、北朝鮮の拉致問題や危険な軍事活動は不快だ。しかし、それと人種排撃は別だ。人種差別デモは「いずれ消える」だろうし、黙殺することが妥当だろう。
「正義の味方」が話を複雑にする
ところが、変な反作用があるようだ。その記者によれば「反レイシズム」とか「人種差別シバキ隊」と名乗る集団が来ていて、人種差別デモ参加者とののしり合い、もみ合いを始めたという。これも記事化を見送った理由だそうだ。実際に「シバキ隊」と称する人がネットで告知を広げ、衝突動画がYouTubeなどにあった。(不快なのでリンクしない)私は好きでもない原発の「推進派」とされている。原発などどうでもよく、合理的なエネルギー政策を訴えているだけなのだが。そのためか、反原発活動家の千葉麗子という元タレントの女性が私に「死ね」と暴言を吐き絡んできた。それを覚えていた人がツイッターで「千葉麗子が『時代は反レイシズムだ』とわめいていましたよ」と教えてくれた。千葉に関わることは時間のムダなので未確認だが、彼女以外にも反原発を唱えた人の一部が飽きたのか、反レイシズムと騒ぎ始めたようだ。
そればかりか暇な国会議員も騒ぐ。ジャーナリスト出身の民主党の有田芳生参議院議員が、ツイッターでレイシズムデモ批判を繰り返し、国会で記者会見、さらに東京都公安委員会にデモの規制を申し入れたという。
私は有田議員が政治家として社会的な意義のある法案の作成に関わったり、社会活動をしたことを、寡聞にして知らない。そして所属する民主党は、前回の総選挙で批判を受けて壊滅状態に陥り、さらに夏の参議院選挙での大敗が予想されている。チンケな悪との闘争よりも、もっとするべきことがあるだろう。
「民主党の議員は、与党になっても、野党になっても暇だ。仕事をしてない」とある官僚がバカにしていた。有田議員の姿をみて、この感想に同意してしまった。
反原発の過激なデモを取材して感じたことだが、悪を見つけて自分が正義という立場にいることに快感を持つ人が、世の中にいるらしい。その中には千葉のように心に問題を抱える人いる。正義を叫ぶ人に、自分の正義を叫んで立ち向かっても、建設的に物事は解決しない。衝突で騒ぎを大きくするだけだろう。
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