◇サウサンプトン2−1チェルシー
【サウサンプトン(英国)原田公樹】イングランド・プレミアリーグは30日、各地で8試合を行い、DF吉田麻也(24)のサウサンプトンが2−1でチェルシーを下した。前節のリバプール戦に続き2試合連続でビッグクラブを倒す殊勲。勝ち点を34に伸ばし、13位に浮上した。吉田はフル出場し、1失点したものの、FWフェルナンドトレスら相手攻撃陣にほとんど仕事をさせなかった。MF香川真司(23)の首位マンチェスター・ユナイテッドはサンダーランドを1−0で下し、リーグ7連勝で勝ち点を77に伸ばした。トップ下で先発した香川は後半33分に途中交代した。
試合後、吉田は心底うれしそうに、「ジャイアントキラー(大物食い)ですね」と言い放った。16日にリバプールを3−1で破ったのに続き、チェルシーを2−1で下して2連勝。サウサンプトンの真の強さを実感させる勝利だった。
「強いところには強い。でも弱いチームから(勝ち点を)取りこぼしている。気を引き締められれば、中位くらいのチームになれる」
吉田は90分間、相手FWフェルナンドトレスへのボールを跳ね返し続けた。いらついたトレスが後半30分にハイボールを競ったとき、吉田に頭突きし、イエローカードをもらったほどだ。
「トレスでラッキー。(もうひとりのFW)デンババだったら、違っていたかも。終始やりやすく、かなり快適にプレーができた」という言葉は自信に満ちていた。
実は4日前、ひどく落ち込んでいた。W杯最終予選・ヨルダン戦の2失点目の場面。相手FWのドリブル突破に対し、酒井高がかわされ、吉田が詰めたが、簡単に振り切られた。サウサンプトンでは見たことのないような失策だ。
「迷ったんです。滑ろうかどうか…。一瞬の迷いが失点につながった。あんなにあっさり抜かれたのは久しぶり。だから頭を切り替え、この試合に臨まないといけなかった」
ヨルダンから戻る飛行機の中から、必死に頭を切り替えよう努力したという。その結果、この大金星につながった。
「シーズン終了までサウサンプトンのプレーに集中する。それが(6月4日の)オーストラリア戦のいい予行演習になるはずだから」
プレミア残留を決めて、気持ちよくW杯出場も決定するつもりだ。 (原田公樹)
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