はじめに
新入社員研修でもどんな研修でも、「自己紹介」を行うと思います。ただ、人数が多くなればなるほど、話す内容は偏りがちになり、聞いてる人は退屈になってしまうものです。
そこでお勧めしたいのが「他己紹介」。自分ではなく相手を紹介するこの方法を使うと、話す人も一生懸命、聞いている人もどんな話題が出るか興味がそそられます。特に用意するものもありませんから、すぐにでも使えますよ。
他己紹介のやり方
二人一組になって、お互いに10分間ずつ自己紹介を行います。
その内容を聞いた相手がみんなに紹介するという、いたって簡単なやり方です。
POINT1
相手が自分のことを紹介しやすいよう、多方面から分かりやすく相手に自分の魅力を伝えることです。
相手のことを考えて、自分の魅力をしっかり考えて伝える努力を自然と行うことができるので、自分ひとりで考えているときには気付かなかった自分の魅力の深堀ができます。
POINT2
聞く側は相手が話しやすいような雰囲気作りを心がけましょう。
相手がたくさん話してくれることで、自分が話すときのネタを多く引き出せます。相槌を打ったり、「それで」など次を促すような言葉を入れると、スムーズに会話が進みます。
POINT3
みんなの前で他己紹介をする前に、みんなに分かりやすく伝わるよう、聞いた内容を整理しましょう。
その人の魅力を端的に表す言葉(結論)を最初に話し、それを補足する説明をすると、聞いている相手にわかりやすく伝えることができます。
おわりに
「他己紹介」は、社会人の基礎として必要な「伝える」能力を養成する研修です。
「自己紹介」では上手に「話す」ことだけに意識がいってしまいますが、「伝える」ために必要な能力は「話す」だけでなく「聞く」「見る」「表現する」ことです。「他己紹介」をすることで、相手の魅力を聞き出す、相手の魅力を見つけようと話しているところを一生懸命見る、魅力を相手にうまく伝えようと表現するといったことを、ゲームを通じて行うことで、これらの能力の重要性を自然と身に付けることができます。
実際に行ってみると、相手のことを普通に話しているとき以上に知ろうとするため、「それで」など次を促す言葉が出てきてコミュニケーションが密になり、相手の魅力をたくさん聞きだすことが自然とできます。
「自己紹介」の手間も省け、まさに一石二鳥の研修といえます。
(Photo by http://www.ashinari.com/2010/06/06-337309.php)
本記事は、2012/06/12公開時点の情報です。記事内容の実施は、ご自身の責任のもと安全性・有用性を考慮してご利用いただくようお願い致します。