2007年07月10日
■重箱の隅をつっついた話『モンブラン149』最終回<星の大きさと輝きの違い>
都市伝説の本が売れているという。中学生の娘は、都市伝説の話になると目を爛々と輝かせる。たとえば、こんな話。
(1)ディズニーランドの地下街:トラックが行き来できるほどの地下道があり、食材やゴミの運搬、ディズニーキャラクターの移動に使用されている
(2)ニャンバーガー:某社のハンバーガーは猫の肉を使用していて関係者の間では“ニャンバーガー”と呼ばれている
(3)ソニータイマー:メーカーの保証期間が切れる頃に製品の寿命が来るように設定されている
(4)カーネル・サンダースの呪い:阪神タイガースの優勝が決まった年に、カーネル・サンダース人形を道頓堀川に投げ込んだ呪いで、しばらく優勝ができなかった
(5)2種類のコカコーラ:甘口と辛口がある。キャップで見分ける
(6)5秒ルール:地面や床に落ちても5秒以内に拾えば悪い菌に感染しない
(7)ドラえもんの最終回:ドラえもんの発明者はのび太だった
(8)飛脚のふんどし:佐川急便のトラックに描かれている飛脚の赤いふんどしに触ると幸せになれる
(9)ケサランパサランの飼育:穴の開いた桐の箱の中で、おしろいを与えてケサランパサランを育てると幸せになれる
(10)まゆげコアラ:「コアラのマーチ」のなかで眉毛のあるコアラを見つけると幸せになれる
ある時期、「コアラのマーチ」というスナック菓子ばかり買ってくるので、娘にその理由を聞いたら、“まゆげコアラ”を探しているのだという。
「コアラのマーチ」は、コアラの絵柄が描かれたビスケットの中にチョコレートが注入されている菓子で、2006年現在、コアラの絵柄は217種類にも及ぶ。217分の1のコアラを夢中になって探しているとは…。
実は、モンブラン149にも、何分の1の割合で存在するのかわからないが、ちょっと珍しいバージョンがあるのだ。
注目すべきは、天ビス。
通常よりもひとまわり小さなホワイトスターの149があるのだ。
50年代の149と50年代以降の149とを比較して言っているんじゃないか、と思われた方もいるかもしれない。確かに、50年代の149と50年代以降に生産された149とでは、明らかな違いがある。ホワイトスターの大きさと質感が、まったく違うといってよい。
わたくしが知っている限りでは、50年代のホワイトスターは2種類あって、プラスチックのような輝きで真っ白なホワイトスターと、経年変化のためだと思われるが、半透明のホワイトスターがうっすらと茶褐色または乳白色になっているものである。(写真は左から右に、50年代149、60年代149、70年代149スモールホワイトスター、70年代149)
今回“まゆげコアラ”みたいに取り上げようと思っている149は、50年代のホワイトスターのことではないのだ。
通常よりもひとまわり小さなホワイトスターの149は、70年代後半から生産された149、それも開高健モデル、そう、14C中白ニブのついた149に存在するようである。
いつごろからいつごろまで作られていたのか、特定できない。
何本くらい存在するのかも、わからない。
関係者に訊いても、はっきりしない…。
わたくしが気づいたのは、友人の149と自分の持っている149の細部を比較しているうちに、天ビスのホワイトスターの大きさが微妙に違うことに気づいたのだ。
最初気がついたときには、わが目を疑った。よーく見ないと判らない。単体では気がつかないかもしれない。
現行の149のホワイトスターの輝きとはまったく違った質感がある。まるで大理石を埋め込んだような輝きなのである。
60年代以降に生産された149の、天ビスのホワイトスターの大きさは、約6.5ミリである(スターの輪郭の幅。エッヂからエッヂまで)。
少数存在する小さなホワイトスターの幅は、約5.9ミリである。
少数存在する、と書いたけれど、わたくしの手許に2本もあることを考えれば、そんなに珍しくはないのかもしれない。萬年筆研究会ヴァーグナーのメンバーのコレクションの中にも、2本見つけた。
ホワイトスターの代わりに、三角形や丸形など形を変えた天ビスもあるという。しかし、ホワイトスターはホワイトスターなのだが、大きさがわずかに小さい、というのが、いい。何かが始まる前の、物音ひとつ立たない、静まり返った清閑な雰囲気。なんとなく、しめやかな感じが漂っている。
ホワイトスターは希望の星。
数少ないスモールホワイトスターつきのモンブラン149に出会うと幸せになれる…。人に希望を与え続けるスモールホワイトスターは、少しずつ、少しずつ小さくなっていって、ある日、真っ黒な天ビスに様変わりしているらしい…、なんていう都市伝説が拡がっていかないかなぁ。
■『男の隠れ家ONLINE』の記事を更新しました!
モンブランの名品「2桁シリーズ」にまつわる物語。その5回目は「2桁シリーズ」のボールペン特集です。レバー式が有名ですが、実はノック式も生産されていました。お立ち寄りください。http://otokonokakurega.net/blog/standard/20/
この記事へのコメント
私の149にも星が小さめに感じる物が2本ぐらいありますが・・・
これがクーゲルさんの仰るスモールホワイトスターでしょうか?妙に気になりますネ!!
(3)ソニータイマー:我が家では93年製の25型TVが現役ですねー
(6)5秒ルール:直感で大丈夫と思った時は大丈夫かも??
参考リンク:
床に落とした食べ物、OKなのは5秒ルール?――米大で研究|Ameba News
http://news.ameba.jp/2007/06/5120.php
livedoor ニュース - 【ファンキー通信】科学的に証明? 3秒ルールは本当だった・・・!?
http://news.livedoor.com/article/detail/2115933/
似たような話で、料理をしているときにお鍋やフライパンから飛び出して落ちた食材、落ちるところを見ていたヤツは大丈夫、見てないヤツはダメというネタがありました。思わず同意してしまいましたが…
届いたとき、えっ?!って思いましたよ、安かったもんで・・・。
5秒ルールなんて信じること、止めて下さいね。
ニャンバーガーはどう考えても却って高くつきます、無茶なこと考えるなぁ。
ソニータイマーはソニーの製品ではありませんが経験有りますよ・・・保証期間過ぎて3日目ぐらいで携帯の画面、半分がいかれました。。。保証効きませんでしたよ、ふざけんな!!!と叫びたい。
鋭いなぁ。
記事本文中で書き記したヴァーグナーのなかの2本とは、
まさしくらすとるむさんのそれです。
他には見たことがまだありません。
「料理をしているときにお鍋やフライパンから飛び出して落ちた食材、
落ちるところを見ていたヤツは大丈夫、
見てないヤツはダメというネタがありました」
妙に説得力がありますね。
二右衛門半さん
スモールホワイトスターは実に数が少ないので大切にしてください。
私のソニーの携帯も壊れました。ジョグダイヤルが駄目になりました。
それはラッキー!!
そんなに希少な物が手元に有るなんて・・・・・。
大事にします。有り難う御座いました。
購入時すでにぶつけた跡がさんざん付いていましたが大切に使わせて頂きます。
勉強になりました、ありがとうございます。