2007年06月18日
■重箱の隅をつっついた話『モンブラン149』3回目<キャップの3連リングのロゴ>
昨日は父の日。
朝、目を覚ますと、いつの間にか、机の上に、娘からの贈り物が置かれていました。アイツ、ナカナカ、粋ナコトヲスルジャナイカ!
贈り物は、北海道のしそ焼酎『鍛高譚』とカゴメの野菜ジュース『野菜一日これ一本』でした。
そのうち、「お父さんの万年筆 320ドル」なんて日が来るのだろうか…。
■重箱の隅をつっついた話『モンブラン149』
3回目は、<キャップの3連リングのロゴ>の比較です。
モンブランの149は生産された年代によってパーツのいろいろなところが微妙に違います。今回注目するのは、キャップの3連リングです。リングバンドともいいます。
50年代の149は、上下の2本のリングが銀製でした。銀製のリングは60年代モデルから姿を消します。
50年代モデルのバンドには、
<MONTBLANC MEISTERSTüCK>
と記されたものと、
<MONTBLANC MASTERPIECE>
と記されたものがあります。
上はドイツ語表記。下は英語表記です。英語表記のものは、海外輸出用モデルだったといわれています。
特集「重箱の隅をつっついた話『モンブラン149』」では、60年代以降の149を比較していきます。今回特に注目したいのは、2点あります。
<MONTBLANC MEISTERSTüCK>の<ü>
と、もうひとつ、
<No149>の<No>
の表記の仕方です。
<ü>。この記号を<ウー・ウムラウト>と呼びます。<U>の字の上に乗っかっている2つの点<・・>を<ウムラウト>と呼ぶのです。母音が変化していることを表しています。<ü>は<ウ>とは発音しません。訓記では<ユ>になります。口をすぼめて<ウ>という時の口の形にしておいて<イ>と音を出します。あぁ、難しい。
149のリングバンドをよく観察すると、年代によって、このウー・ウムラウト< ü >の彫り方に微妙な違いがあるのです。
60年代モデルは、ウムラウトが<U>の内側にきれいに収まっています。
70年代以降のモデルは、私が調べたところでは2種類のバージョンがありました。
(1)60年代モデルの表記によく似たもの。
60年代に比べてウムラウトの長さが短い。
(2)ウムラウトが2つの点<・・>でなく1つの点<・>になっているもの。
現行品は、書体の縦横比が、以前は横長だったのですが、正方形に近づいています。そして<U>の字の始まりと終わりにウムラウトが乗っかっています。
<No149>の<No>の記し方です。
私が持っている149は、ほとんどが、挿絵の上のように、<No>の<o>が小文字でアンダーラインが引かれています。私の愛用している開高モデルはこの記し方です。
60年代モデルに1本だけですが、<No>の<o>が小文字でなく大文字になっており、しかもアンダーラインも引かれておらず、ただ<NO>と彫られたモデルがありました。
ルーペでよく見ると、わたくしには、この他にも<A>の文字の書体が微妙に違うように感じられます。あまりにも微妙な違いなので、今回は取り上げませんでした。
年代によって、生産された時期によって、あるいは、生産された工場によって、または、どこの国に出荷されたモデルかによって、違いが生じているのかもしれません。いゃぁ、149は面白いナァ。
149ユーザーに声をかけて、個体調査をしてみたいものです。
次回は、<首軸の形状>です。
■金ペン堂 古矢健二さんのリハビリ始まる!
退院して2週間。
先週の土曜日から国際理学療法士の先生によるリハビリが始まりました。
これから毎週2回、3ヶ月間、体を作り直し、正しい歩き方を訓練していきます。
近々またお知らせします。
■「男の隠れ家ONLINE」の記事は今晩か明日更新です!
父の万年筆について文章を書いてみました。
今週も御高覧御笑読をお願い申し上げます。
『男の隠れ家ONLINE』
http://otokonokakurega.net/blog/standard/20/
あ、そうそう、今日6月18日は、
萬年筆研究会ヴァーグナーが誇る“手タレ”、
お誕生日、おめでとう!
この記事へのコメント
ずーっと不思議に思っていたことがあるんです。モンブランはドイツの万年筆なのに、なぜ No.(ナンバー) 149 と彫られているんでしょう。ドイツ語で Nr.(ヌンメァ) 149 と彫られているべきなのに。どうして部分的に英語なのか、未だに誰も明快な答えをしてくれません。
吃驚しましたぁぁ!
いきなり赤文字の太文字フォントで・・・・!
うーん!
人気のあるkugel_149さんのページにこんな大きく
載せてもらえるなんて、凄い誕生日プレゼントでいす。
ありがとうございました。
忙しそうですね。
気がつかれるまでに結構時間がかかりましたね。
無理をなさらぬよう…