春が嫌いだった。
特に年度末から新学期の頃は慌ただしく、
別れを惜しむ暇もないほどに、次から次へとやることがあり、
大学助手時代はそれでも学生の旅立ちを見送り、
すぐに新入生たちのオリエンテーション。
慣れ親しんだ顔ぶれや
彼らがいたことが確認できる共同研究室の整理をしながら、
新入生を迎える。
まだ、慣れないその目線に懐かしいものを覚えながら、
彼らを見守ってゆこうと決心する。
その繰り返しで、充実はしていたものの、
自分の研究の時間の確保と
本当に素朴に「思い切り眠りたい」という欲求を満たすために
いつもちょっと疲れていた。
春は疲れる。
そんな感じ。
それから病気も煩い、休養。この年月の春は記憶にすらないほど。
それも近年は少しずつ回復してきて、
確実に健康になりつつある春は全く別の色に見える。
「春」はやっと冬を抜けたからこそ美しいんだって。
春の光も嬉しい日々☆