県内で児童扶養手当を受けている母子家庭のうち、貯蓄が全くない世帯が全体の35%に上り、平均貯蓄額は76万円だったことが14日、県の「ひとり親家庭等実態調査」で分かった。父子家庭は貯蓄0円が27%、平均貯蓄額は64万円。日銀によると全国の平均預貯金額は630万円で、ひとり親家庭の厳しい生活実態が浮き彫りになった。
県庁であった県ひとり親家庭等自立促進計画推進委員会(会長・出川聖尚子[りさこ]熊本学園大准教授)で、県子ども家庭福祉課が報告。調査は2008年以来で、12年7~9月に実施。寡婦家庭も含め約1800世帯が回答した。
母子家庭の年間総収入は平均180万円で08年と同水準。一方、父子家庭は23万円減の241万円。前々回の04年に比べ100万円も減っていた。全国の平均収入は489万円。同課は「景気の落ち込みなど社会情勢の影響ではないか」とみている。
今回から子どもの進学状況も調査。大学卒業率は母子家庭で6%、父子家庭で3%にとどまった。母子家庭の59%、父子家庭の41%が、経済的な理由で学習塾などに通わせられないと答えた。
県内のひとり親世帯(10年現在)は、母子家庭が1万8669世帯、父子家庭が3563世帯。(井上直樹)
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