2013世界フィギュアスケート選手権・女子フリースケーティング
日本女子、ソチ五輪3枠確保、おめでとう。
女子フリースケーティング結果
1 Yuna KIM 148.34点☆☆恐れ入谷の鬼子母神演技
2 Mao ASADA 134.37
3 Carolina KOSTNER 131.03
4 Zijun LI 127.54☆ガブリエル降臨演技
5 Gracie GOLD 125.40
6 Ashley WAGNER 123.36
7 Kanako MURAKAMI 123.09
8 Elizaveta TUKTAMYSHEVA 119.52
9 Adelina SOTNIKOVA 116.36
10 Kaetlyn OSMOND 112.09
11 Mae Berenice MEITE 108.13
12 Natalia POPOVA 103.85
13 Akiko SUZUKI 103.42
14 Alena LEONOVA 102.76
15 Viktoria HELGESSON 100.44
おヨナさん、強かった~\(◎o◎)/!そして上手かった~(@_@。こういうのを「パーフェクト」と言うのでしょうね。こんな凄い演技をされたら誰も敵わないわ。唯一人、別次元の演技でした。
彼女のジャンプ技(だけじゃないけど)を見てつくづく感じたのは、各エレメンツの熟練度というのは、努力・練習量・良いコーチの指導を受ける、の3つに加え、「才能」も物を言うと。それは男子を見ていても痛感します。
ヨナ選手には伊藤みどりさんに劣らぬジャンプの才能があるのでしょう。そうでなくては、わずか2大会に出ただけでここまでの完璧なジャンプを揃えられるハズもありません。しかも、世界選手権という大舞台の最終滑走で。
もちろん、ヨナ選手は己れの才能に甘んずることなく鍛錬を重ねて来たからこそ、ここ一番の大舞台で完璧な演技が出来たのだと思います。本物の強さだ。スポーツが人に感動を齎す源はここにあります。
「レ・ミゼラブル」は以前のような「アクの強さ」はやや影を潜めた代わりに、ダイナミックな滑りと優雅でまろやかな演技の交叉から、次第に高雅な気品が醸し出されて来る…そんなプログラムと思いました。
元々ヨナ選手は腕の折り曲げ方、伸ばし方、しならせ方、そして、たくしあげ方が際立って上手かったのですが、益々洗練されたと思います。それが高質なスケーティングと渾然一体化し、身長以上に大きく見せたり、ダイナミックに見せたり、時にハッとするような優雅さを見せてくれたと思います。
主に演技前半では爽快で大きな滑りのままステップシークエンスにいつのまにか移行し、ステップ途中で曲が優しい「On My Own」に変わると滑りも優美さと切なさに変わり、ほのかな光が射して来る…この劇的な変化は実に感動的です。
これくらいの演技ですと、非常な高得点が出るのも分かります。GOEは一箇所を除いて全てのエレメンツに1.00点以上のプラスが付き、演技構成点も9.00点台の前半という高い評価。最後の最後に良いものを見せてもらったなあと感動しています。
コストナー選手の「ボレロ」も素晴らしかったです。それだけに途中でジャンプが一つシングルになり、最後の「締め」となる3Sで転倒したのは、名演技の印象をやや壊してしまうだけにちょっと残念でした。ボレロは単調な音楽だけに、ジャンプミスが目立ってしまいます。
コストナー選手もヨナ選手に劣らず、一つひとつのエレメンツの質が高いですね。3Fー3Tも決まると鮮やかです。
浅田選手、3位表彰台おめでとうございます。冒頭の3Aが両足着氷になり、次の3Fー3Loの予定が3Fで着氷が乱れてコンボにならなかった時点で、過去2大会と同じ展開になるかとハラハラしましたが、踏ん張り抜きましたね。着実に「地力」が増して来た証拠と思います。
私が「軽く熱狂」したのは、3Lzを経て4番目の単独3Loに2Loをつけるリカバリーを見せたことです。
正直、浅田選手はこうしたとっさのリカバリーが苦手なタイプと思っていましたので、これには驚きました。しかも、最初の2つのジャンプでミスしたにも拘らず冷静でしたね。こういうことって、「試合運び」という点で案外と大事なことだと思うのです。
浅田選手の演技については、沢山語りたいことがありますが、後で単独で取り上げたいと思います。ヨナ選手についても。
村上佳菜子選手、フリーで一つ順位を下げたとはいえ、4位入賞は大健闘と思います。全米女王のワグナー選手を上回ったんですからね。しかも、上位3選手の凄い顔ぶれを見れば(^。^;)
急所であった3Fと2Aのシークエンスではまたしてもセカンドジャンプが1Aになりましたね。簡単な計算ですが、これだと単独3Fよりも点数が下がるという骨折り損の痛いミスになります。もう、止した方が良いのでは?普通に3Fー2Tとかに変えても点数は大して違いはないでしょう。それと、基礎点を上げる為に2Aー3Tを入れられるようになって欲しいです。
ワグナー選手はショートの時からパワーダウンを感じていましたが、本調子ではなかったのでは?体調が万全ではなかったのかな。ステップシークエンスでは明らかに「足に来て」重くなっていましたね。ステップ中の倒れ方やその直後にも何でも無い所で躓いたり。八木沼さんと荒川さんは何か違う解釈をしていましたけど。
しかし、ワグナー選手とゴールド選手の頑張りでソチ五輪3枠獲得はおめでとう、です。これは大きいでしょう。前回は2枠でした。アメリカフィギュア界にとっては「女子フィギュア人気復活」へのキッカケになれば良いですね。
李子君選手、素晴らしかった!天使ガブリエルが舞い降りました。技術点だけならヨナ選手に次いで高い69点台をマーク。浅田選手の技術点を上回っています。
華奢で純朴な子君選手の雰囲気は「眠りの森の美女」の可憐で愛らしい世界と見事にマッチしていました。これで益々人気が出るでしょうね。
鈴木明子選手、お疲れ様でした。今季のフリーは非常に素晴らしいプログラムだっただけに…残念。もったいない。ジャンプがまたしても…まさか、年齢から来る衰えとは思いたくはありません!
【演技構成点の存在感・どんぐりの背比べから不揃いの林檎へ】
統計データを取った訳ではないので主観的な感想ですが、新採点法によって生まれた「演技構成点」の運用は、2008年までは概して「ドングリ」傾向にあったと思います。トリノ五輪でもそうであったように、演技構成点で大差がつくような出方はしていませんでした。
明らかな変化が出たのは2009年の四大陸選手権・世界選手権です。チャン選手やヨナ選手の演技構成点が「急上昇」したことにファンは驚き、賛否両論渦巻くことになりました。
現在、女子における演技構成点の高さでは、東の横綱はヨナ選手、西の横綱はコストナー選手、張出し横綱は浅田選手で、ファイブコンポーネンツが各8.00点台後半~9.00点台前半という高評価。
その次の8.00点台前半の選手はおらず、ワグナー選手や村上選手は7.00点台後半で関脇クラスといったところでしょうか。
技術点なら李子君選手、ゴールド選手、トゥクタミシェワ選手等の若手、前頭筆頭クラスは横綱・関脇陣と伍して戦えますが、演技構成点ではとても敵いません。
女子体操で分かるように、女子は体型変化を受けていない十代前半~中半の選手が圧倒的に強いです。ジャンプという点ではフィギュアも似ている。一時は、フィギュアも十代の若い選手が五輪の金メダリストに輝いた時期もありました。
しかし、演技構成点がダイナミックに評価・採点されるようになり、二十代の女子選手が若手に勝るとも劣らぬ戦いが出来るようになりました。
トリノ五輪の時、浅田選手が出場すれば金メダルを取る可能性が高かったと言われました。しかし、現在の演技構成点の運用法であればその可能性は著しく下がったことでしょう。
これが良いことなのかそうでないかはファンにより意見は様々でしょう。勝敗の基準が分かりにくくなったとの批判もありますが、私は良い方向にあると思っています。フィギュアスケートはジャンプ、スピン、ステップ等のエレメンツの難度と質、スケーティング技術や音楽との調和等の表現技術の練度等、総合的・多面的な角度から評価される競技と思うからです。
この結果、若手もベテランもそれぞれの強みを生かして対等に戦える競技になったと思います。
2013.03.18 | | コメント(336) | トラックバック(0) | フィギュアスケート