2010年12月6日
■「変化しにくい存在でいい」 院長の作家・三浦朱門さん
私自身は会員選考の会議では第2部の一部員となるので、第1部のことはよく分からない。
日本芸術院には、地道な仕事ゆえに経済的には恵まれていないが、作品は日本の文化史に残る人がいる。年金はそういう人の助けになっている。
芸術院は伝統を重視し、変化しにくい存在であっていい。これまでの伝統を踏まえた会員が新会員を選ぶ意味はある。
一方で芸術院に反発する人がいるのも当然。反発した人もまた新しい伝統をつくればいい。
芸術院は、時代から一歩遅れて変わってきた。大正期の帝国美術院時代から長い年月をかけ、美術、文芸、音楽や演劇と対象を広げてきた。今後も映像など、新しい分野の人が入れるように考えるべきだと思う。
社会貢献も、学校訪問のほか芸術創造について人々に話すといった形でも考えたい。(談)