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〈文化変調〉第5部・ゆらぐ権威(4)時代とずれ 芸術院(2/3ページ)

2010年12月6日

写真:松尾敏男さんは小学生たちに「いい絵を描くには、いい心を持つこと」などと説いた=10月14日、東京都千代田区拡大松尾敏男さんは小学生たちに「いい絵を描くには、いい心を持つこと」などと説いた=10月14日、東京都千代田区

写真:三浦朱門・日本芸術院院長拡大三浦朱門・日本芸術院院長

 各部は複数の分科からなり、現在の会員は第1部が6科46人、第2部(文芸)が3科33人に対し、第3部(音楽、演劇、舞踊)は7科で26人と少ない。

 第1部の分科は日本画、洋画、彫塑、工芸、書、建築となっているが、写真やファッション、漫画はない。映画は独立した分科はなく、第3部の演劇に含まれている。能楽や歌舞伎などは分科として独立しているが、落語や放送はない。

 文科省設置法には、芸術院は「芸術の発達に寄与する活動を行い、並びに芸術に関する重要事項を審議」と記されている。しかし、こうした活動も活発とは言い難い。

 分科では演劇に属する映画監督の山田洋次さん(79)は「小津安二郎さん以来の映画監督ということで、選ばれた時には光栄に思った。でも、会員が集まる機会があまりない。あれだけの人材がいるんだから、もっと活用した方がいい」と話す。

■児童に絵を指導

 会員が直接、「芸術の発達に寄与する」数少ない機会が、05年に始まった「子ども 夢・アート・アカデミー」事業だ。文化庁の事業の一つで、希望のあった小中高校を会員が訪ね、授業をする。

 第1部の部長の松尾さんは、この取り組みに熱心だ。10月には東京都千代田区の千代田小学校で、子どもたちを前に自ら絵筆をとり、絵の指導をした。

 松尾さんは言う。「絵を描いていて、自分は世の中の役に立っていないのでは、という思いがあった。だから授業を引き受けている。芸術、文化に寄与すること、各自がいい仕事をすることが、芸術院の大きな仕事なのです」

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