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2010/03/18

朝鮮高校を差別してはならない

 3月17日(水)北区十条にある東京朝鮮中高級学校を取材。学校に入ると生徒たちがどこでも親しげに挨拶をしてきた。昨年の総選挙時に交流した民団青年会の若者たちにも感じた爽やかさを思い出す。家庭の「しつけ」なのだろう。「道徳」という言葉がここに生きている。校長の愼吉雄さんに話を伺う。1949年12月から55年3月まで都立だったと聞いて驚いた。拉致問題や核開発については反対だという。しかし私が強い違和感を感じたのは、小中学校ではすでに廃止された金日成・金正日親子の写真が教室に掲示されていることだ。民族教育が必要だとはわかるが、個人崇拝の象徴は誤解を再生産するだけではないか。しかも現代史の教科書を見せてもらったが、そこにも多くの金正日総書記の写真が掲載されていた。独特の「チュチェ(主体)思想」が教えられていることも他者が批判すべきことではないのかもしれないが、これも「儒教社会主義」を支えるものと思えば、違和感を覚えるばかりだ。そういった問題を残しながらも、高校授業料を無償化するのは当然の施策である。韓国学園などの各種学校が無償化適用されるのに、朝鮮学校だけが差別されるのは排外主義にほかならない。朝鮮学校に在籍する生徒の56パーセントは韓国籍、朝鮮籍は43パーセント、日本籍が1パーセント。しかも貧困を理由にした授業料滞納者も東京朝鮮中高級学校の場合は5パーセントいる。こうした生徒を支援するためにも朝鮮高校への高校無償化法案を適用すべきである。税金を払っているのだからその配分は公平でなければならない。鳩山由紀夫首相は1月29日の施政方針演説でこう語っていた。「差別や偏見とは無縁に、人権が守られ基礎的な教育が受けられる、そんな暮らしを、国際社会の責任として、すべての子どもたちに保障していかなければなりません」。当然のことだ。渋谷で『サリンとおはぎ』(講談社)を書いたさかはらあつしさんと会う。ユニークな高校時代の後輩だ。雑用を済ませてジムで泳ぐ。神保町に出て「家康」。

コメント

主体思想教育や金正日総書記親子の肖像画掲載を日本でやる事には、特段、日本国民の感情にも配慮すべきである。
文科省管轄の日本学校同様に助成を受ける為には朝鮮学校も教育内容や思想教育など複合的な歩み寄りは必要であると考える。

私はこの点に関して有田さんの意見にスカッと気持ちがいい思いをしました。教室に掲げられた金日成親子の写真には私も違和感を感じており、それに対してささやかな皮肉の一つでも示唆するのがそれこそ健全な精神だと思います。同時に、やはりそれは、朝鮮学校の人々が自分たちで決定する問題。橋下知事のように、無償化をちらつかせてそれらを外せと条件づける行為は、金で相手の頬を叩くような、狭隘な発想です。この問題で問われているのは、朝鮮学校ではなく日本人だと思います。日本人がどのような理念に基づいた社会を自分たちで作っていくのか。半世紀にわたる米軍基地に及び腰な政治やメディアが、朝鮮学校だけを狙い撃ちにするような卑屈な精神を克服しなくては、日本国憲法にいう「国際社会で名誉ある地位」を占めるという日本の理想は達せられないと思います。有田さんには、永田町の荒波をある種老獪に泳ぐ逞しさとともに、正論をずばっとストレートに発言する気風の良さを期待します。

良いか悪いかではなく、一旦合併等して「日本人」だった連中を戦争に負けた途端、自分のことしか考えずに放り出したことに問題があるんじゃないのかねえ。そもそも右翼の大好きな教育勅語にも博愛はあるわけでして、仮に国民に対する博愛と言う狭い意味だとしても、まがりなりにも同国人だったわけですから。(朝鮮半島と台湾ですよ)

こんにちは
朝鮮学校への「高校授業料を無償化」ですが・・
やはりいままで彼らがやってきたことを考えれば支給には釈然としません。 日本からの北朝鮮への送金・支援を今だ続けていることについても、金正日崇拝的な教育を行っていることについても、一人ひとりの学生さんには何ら問題があるわけではないのですが、税金がこのような使われ方をすることについて懸念があります。 歴史的な経緯を問題にする方もおられるようですが、軍事増強を行い、軍事的な核開発を行い、国民を餓死させているような状況を考えれば、朝鮮学校生徒への支給は慎重であるべきだと思われます。
人権問題「差別」としてとらえることも必要ですが、「人権問題としての北朝鮮の現状」を曖昧なままにしていることが気になります。
また、この問題が差別・極端な右(ネトウヨ等)へ向かわないことも大切だと思います。
いずれにしてももっと議論してほしいと思います。
曖昧な結論は出さないないでほしいと思います。
支給することになっても、あわせて希薄になりつつある「拉致問題」を徹底的に解決するスタンスを明確にすべきだと思います。

有田さんを応援しております。つぶやきも毎日拝見しております。
ご健闘を

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