脚本家考察1 輿水泰弘氏
- 2007年01月29日
元祖「相棒」であり、基礎をつくったメイン脚本家。
キャラに関しては、もちろん輿水さんのメイキングなので、キャラがぶれることはない。というか、他の脚本家さんは輿水脚本のキャラ設定を勉強してもらわないと世界観が狂います。輿水さんは会話劇中心に魅せるタイプなので、キャラ同士の掛け合いも「相棒」における大きな見せ場となっています。また基本的に輿水さんが脚本のときしか、メインキャラの私生活は変化しません。
事件については、視聴者を裏切る意外な犯人、意外な動機。でも納得させられる重厚な人間ドラマが魅力だと思う。はっきりいってミステリーの王道ではないし、強引とも思える結末もあるのだが、罪を犯してしまった人間の弱さ、悲しさを存分に味わうことができ納得させられてしまう。
輿水さんはスペシャルを担当することが多いので、事件も大きなものが多い。特徴としては、最初のつかみの事件が起こり、それをきっかけに本題の事件へむかう。ミステリーの王道であれば、最初の事件が実は本事件の伏線だった、となるのですが、輿水さんの場合、本当にとっかかり程度の繋がりで、冒頭の事件は解決したのかどうかも放置されることもあります。(例えば、5−1「杉下右京最初の事件」で、薫が巻き込まれたミリタリーマニアによるホームレス襲撃事件。役所の人が一応1人捕まったけど、仲間はどうなったかは描かれない。襲撃事件とメインの事件の繋がりはせいぜい懐中時計とたまたま犠牲になった被害者くらい。)つまりミステリーやサスペンスは、輿水作品にあっては風味であって、肝は真相、特に動機なのですね。
他に輿水脚本の特徴としては、社会へのメッセージ性、反権力、様々な歪んだ愛情、性的マイノリィ、悪女、ブラックユーモア、毒、風刺といったところでしょうか。シーズン3から輿水さん、少なすぎます。特に1時間ものがもっとみたい。
- kilisaki at 15:50
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この記事へのコメント
輿水泰弘さんにぜひあって話を聞きたいのでうが
可能でしょうか?
脚本の素晴らしさに感銘を受けいています。
よろしくお願い申し上げます。」