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相棒Sason5_第19話「殺人シネマ」

2007年 日本ドラマ

脚本:岩下悠子
監督;橋本一
出演:水谷豊、寺脇康文、鈴木砂羽、高樹沙耶、山西惇、川原和久、六角精児
ゲスト:星由里子、松本留美


テレビ朝日放送を視聴。


映画館で昔の名画、織原晃一郎(森山周一郎)監督、島加代子主演の「海峡の虹」がリバイバル上映され、杉下右京(水谷豊)とたまきがデート。
感動の映画が終わり涙するたまきに、大丈夫ですか?と気遣いをみせる右京。
たまき ”不思議ですね。10回も観ているのに。”
右京 ”12回ですねー。”
こんなところでもシビアな右京です。間違いはイヤなんですね。嫌われます。(笑)
すると、館内の席でひとりの男が死んでいるのを右京が発見。

捜査一課の伊丹(川原和久)、亀山薫(寺脇康文)、鑑識の米沢(六角精児)たちがかけつける。

死体は往年の名映画監督・織原晃一郎(森山周一郎)。

ナイフで胸を一突き。抵抗した痕跡はない。泥酔していたので、気づかないまま刺された可能性が高い。
悲鳴は聞こえなかったと右京が証言するが、伊丹は
”(憎々しげに)うろちょろしないでもらえますか。警部殿! お前もだ!カメ!”
右京 ”失礼、なにぶん、第一発見者なものですから。”
薫 ”なにぶん、第一発見者の部下なもんですから。”

かつては新進気鋭の若手監督として注目を集めていた織原だったが、「海峡の虹」以降は創作意欲を失い、いつしか映画界でも忘れ去られた存在に。
支配人・江守(石井洋祐)や清掃係の赤井のぶ子(松本留美)によると、最近は昼間から酔って映画館によく来ていたという。


翌日、特命係の部屋。
薫が右京に、昨日は(殺人が起こって)デートがパァで気の毒でしたと言うと、単なる映画鑑賞でデートではないと、めずらしく怒りを見せる右京。
やってきた角田課長は、”どう違うんだ?”に、薫は、”さぁー。”
”日をあらためた方がいいぞ。デート。”と角田が言うと、右京は声を振るわせて、
”デートではない!と申し上げております。”

鑑識課で、米沢から被害者の死体検案書を受けとる右京。
”それにしても、別れた奥様とデートとは。羨ましい限りです。”という米沢に薫が慌てて、”デートって認めませんから。”
さらに米沢、”何にしてもあやかりたいものです。”
米沢さんの逃げた奥さんはまだ戻ってきてないようです。(笑)

調べでは、織原は不治の病で余命半年を宣告されていたらしい。
そんな織原が何故、自分の作品の上映中に映画館のような衆人環視の中で殺害される羽目に・・・?


織原の作品をDVD化して発売しようとしながら、織原に断られ続けていたビデオ会社の海老名(鈴木リョウジ)が容疑者として浮上。
織原が死ねば映画の著作権は遺族に移り、DVD化もしやすくなる。
そうなれば会社に利益をもたらすことになるのだが、決め手はない。


マスコミ嫌いで引退後は一切取材を断り、テレビの映像に映ることがなかった島加代子(星由里子)が、事件についてのインタビュー映像がテレビに放送された。
たまきの店で偶然にそれを見た右京たちは一様に驚く。
インタビューで加代子は、織原が皆から恨まれていたのでいつかはこうなると思っていた、とごく自然に話をするのだった。

そのテレビがきっかけで、島加代子を事件当日映画館で目撃したという人物が現れた。

右京と薫は思わず息を呑む。


さっそく加代子を訪ねる右京と薫。
自宅の表札は神谷。加代子の本名は神谷しょう子。
そのローマ字を並び替えて島加代子という芸名にしたという。一種の遊び感覚。
右京の話では当時、新人の芸名の決め方として流行したそうだ。
何でも知っている右京です。

加代子に会うと、事件当日は自宅にいたとあっさり否定。
織原と会ったのも半年前が最後。
織原が体を壊したと聞き、見舞いのつもりで会いに行ったが、心ない言葉でひどく傷つけられたという。
誰に対しても平気でひどい言葉を投げつける。加代子はそんな織原をあまり良く思っていないらしい。
だがそんな加代子から意外な質問が。
”どんな顔で亡くなっていました?苦しそうでしたか?”
右京 ”個人的な感想を言えば・・・とても安らかな顔でした。”
加代子 ”そう・・・(安心したようにしみじみと)良かったー。”


映画館・支配人の江守は事件発生時は映写室で作業中であり、観客席を覗き見る余裕はなかったという。
そして加代子は来ていないと証言。
清掃係ののぶ子も見ていないという。


犯人は加代子のように織原を良く思っていない人間か?
右京たちが現場の映画関係者に話を聞くと、そのように思っている人間は一杯いると。
そこで、かつて織原の映画に出演、監督の織原にひどく叱られ、ストレスで体を壊した若手女優がいたことを知る。
絹ちゃんと呼ばれていたその女優は加代子とも共演。
ただ、当時を知る人間によると、現在はどこで何をしているのかわからないらしい。


加代子に会いに行くなど捜査を続ける右京らは、内村刑事部長(片桐竜次)に呼ばれ、勝手に動き回るな、余計なことをするなと注意を受ける。
内村は加代子が犯人かと心配している様子。
薫が口を挟もうとすると、内村は、”お前には聞いとらん。”
どうやら加代子の熱烈なファンらしい。

薫が右京に、加代子が犯人の可能性の話をすると、右京は
”すでに犯人の見当はついています。問題は何故殺したかです。”
驚く薫。


右京たちは再び加代子を訪ね、絹ちゃんについて質問する。が、なぜか加代子は大部屋女優など覚えていないと語気を荒げて自宅へと入ってしまう。
たまたまその場にいた海老名によると、織原はかねてから映画館で死ぬのが夢だ、と言っていたとか。
しかも自分の映画を見ながら死にたい、とも。
犯人の目星をつけていた右京は、ある確信をつかんで・・・


右京らは再び映画館を訪ねると、支配人に絹ちゃんこと青葉絹子に会いにきたという。
AOBA KINUKO・・・
ローマ字の並びを変えると、AKAI NOBUKO・・・

青葉絹子が清掃係ののぶ子になる。

のぶ子は自分が絹ちゃんであることを認めるが、共演した加代子は自分のことなど知るはずがないという。

と、そこへ加代子本人がやってきた。

右京らの巧みな追及に素直なのぶ子はついに犯行を自供。

”私を逮捕して下さい。”
”それは、自首と受けとってよろしいのですか。”、という右京にのぶ子は肯く。
しかし、加代子と江守は懸命に証拠がないと否定する。が、のぶ子が血のついた作業着をクリーニングに出した事実を突きつけると、加代子らも言葉を失ってしまう。
右京は、事件発生直後ののぶ子への事情聴取で、のぶ子の作業着がまっさらだったことに気づいていたのだ。
血のついた作業着がクリーニングに出されており、その物証はすでに押さえていると。

自分の作品を見ながら死にたい。
そんな織原の夢を叶えてあげたい、それがのぶ子の犯行の動機だった。
偶然映写室で、のぶ子の犯行を見てしまった加代子と江守は、のぶ子の織原を思う心を理解、彼女を守ろうと誓い合ったという。

右京はいう。
”信じたくありませんでした。これほど素晴らしい映画を撮った監督が、誰かに恨まれて殺されたとは・・・”
のぶ子 ”恨んだことなんて一度もありません。どんなに怒鳴られても。罵られても。あれが私の青春でした。ほんの一瞬だけど、私は銀幕の中で生きていた。あの頃の思い出があったから、私、今まで頑張ってこれたんです。どんなに辛くても。”
右京 ”しかし、たとえどんな理由があろうとも、やってはいけないことがあります。”

クールに話す右京だが、いきなり物証を見せて逮捕せずに、のぶ子の自首という形に持って行く右京の演出だったことがあとで分る。
それを知った加代子はいう。

”たいした役者ね。”


マスコミ嫌いの加代子がテレビのインタビューを受けた理由を訊ねると
”もう一度戻ろうと思ったの。監督の知っている頃の女優に。”
加代子もまた織原を嫌っていたわけではなかったのだ。

事件のほろ苦い結末に、右京はわずかに救われた思いを噛みしめていた。


内村に加代子が犯人ではなかったことを報告する右京と薫。
安堵した様子の内村に薫はからかうように、”昔のファンはホッとしていると思いますよ。”
勝手な動きにもお咎めなしの右京と薫だった。


(テレビ朝日の公式HPをもとにブログ用に改修しました。)



星由里子さんは昔の青春映画が思い出され、特に加山雄三の若大将シリーズの印象が強い。
ドラマではNHKの「あぐり」で姑役を好演していて、本ドラマ同様演技の実力を感じます。

松本留美さんは、彼女が若い頃好きな女優さんでした。清楚で素敵でした。
今回久し振りに拝見しましたが好演していました。


今回は、殺人の動機が少し弱く感じましたが、いつもの相棒らしく良く出来ていて、楽しめました。


次の最終回スペシャルもすでに放送は終わっており、録画したものをこれから観ます。楽しみです。(笑)


2007/3/10 ★★★*☆ (評価:3.5 /5)

閉じる コメント(6)

「海峡の虹」も並び替えると「右京の次回に」になったり,最後のクレジットで遊んでいたりと面白い作品だったと思いますが,あういう殺人も本当に複雑ですよね。。。

2007/3/16(金) 午後 0:30 のと(notbonito)

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のっとぼにーとさん。へー、「海峡の虹」がそんな言葉に!次が最終回ですから、意味がつながります。(思いっきりこじつけですけど)芸名をこのように命名するって本当にあったんでしょうか。変なところに気になります。(笑)うーん。1時間番組で描く制約からかもしれませんが、犯人と被害者の過去の人間的な関係がもう少し描かれないと、犯行の動機に説得力がないように思ったのは私だけでしょうか。

2007/3/17(土) 午前 6:50 [ PANA ]

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こんばんは〜、PANAさん! すみません、ブログの調子が悪く、TBしていただいたことに気づきませんでしたッ! この回、確かに殺人の動機が弱かったですよね。 でも演出が凝っていたので自分としては結構好きな話でございました。 星由里子さん、流石に迫力ありましたね。 どことなぁく加賀ま○子さんに雰囲気が似てるような…。 削除

2007/3/18(日) 午後 11:50 [ まるひげ ]

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まるひげさん。こんばんわ。こちらこそ、TBのみで大変失礼しております。次の回のレビューに追われ追われの連続で最終回まできてしまいました。申しわけありません。動機は気になりましたが、それ以外は楽しめる相棒でしたね。(^^)そうなんですよ!星由里子さんの迫力って感じますよね!演技の強さというか意思の強さというか、強い力を感じるんですよね。迫力ですし、これがオーラなんでしょうか。加賀さん似? なるほど、オーラもあるし、力強さなど似てますね。(笑)

2007/3/19(月) 午前 0:48 [ PANA ]

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相棒5-19はドラマ作りの中では素晴らしい作品でしたね。森山周一郎様の哀愁漂う演技が良かった又,私の印象に残ってるのは亀山が右京様を、おんぶしているシーンと・鼻歌で空気銃を向けているシーン等、多々あります やっぱ真の「相棒」は寺脇康文様ですね ヒロコママさん他、出なくなった準レギュラーの方も復活してほしいものです 削除

2012/5/28(月) 午後 3:46 [ 富田益至 ]

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富田益至さん。
コメントお返しできず、すみませんでした。
相棒は寺脇康文さんが卒業してから、レギュラー、準レギュラーがかなりいなくなりましたね。
美和子はもちろんのこと、官房長やたまきさんまでいなくなりましたから。
今年はどのようになるのか?ある意味楽しみでもあります。(^-^)

2012/8/10(金) 午後 11:10 [ PANA ]

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