雅子妃めぐる騒動で皇室危機

日本メディアの報道

 「皇太子ファミリーに何が起きているのか」

 日本で皇位継承権を持つ皇太子が53歳の誕生日を迎えた23日、宮内庁が配布した誕生日の記念写真をめぐり、日本のメディアで騒動が起きた。写真に雅子皇太子妃(49)と娘の愛子内親王(11)の姿がなかったからだ。週刊誌『AERA』は「一人で撮影した異様な写真で、雅子さまと愛子さまがいない」と報じた。週刊朝日は「昨年までは家族だんらんの様子だった。写真を見た人ならば、誰でも驚きを隠すことができなかったはずだ」とした。

■「皇太子退位論」の背景に雅子妃

 2003年に「適応障害」と診断され、10年にわたりほとんど対外的な活動をされてこなかった雅子妃に対し、日本社会の視線は厳しい。適応障害はかなりの苦痛を伴う病気で、ストレスが主因だ。AERAは「東宮侍従幹部も雅子さまとは話ができない状態だ」とし「意見を言える人間がいないことが『皇太子さまワンショット写真』の原因かもしれない」と報じた。宮内庁は「雅子さまが風邪を召され、一緒に撮影できなかった」と説明した。

 雅子妃は1993年の結婚当時、皇太子とエリートキャリアウーマンのカップルとして話題を呼んだ。ハーバード大を卒業し、5カ国語に精通した雅子妃は当時、「皇室外交」に強い意欲を示されていたという。しかし、皇室が皇位継承問題を強調し、溝が深まったとされる。皇太子は2004年の記者会見で「雅子のキャリアや人格を否定するような動きがあったことも事実です」と発言したことがある。

 雅子妃はご結婚8年目の01年に愛子内親王をご出産された。皇位継承などを定めた皇室典範によると、愛子内親王には皇位継承権がない。日本の天皇は「男子」に限られているためだ。「女性天皇」を認める方向で皇室典範を改正しようという論議もあった。しかし、秋篠宮紀子妃(46)が06年に男子をご出産されたことで、女性天皇論は下火になった。

 最近浮上した皇太子退位論の背景には、雅子妃の存在があるとされる。皇位を継承する男子を産むことができず、適応障害を患う雅子妃に対し、一部の皇室擁護勢力が不満を持っているからだ。宗教学者の山折哲雄氏は月刊誌『新潮45』3月号に寄稿した「皇太子殿下、ご退位なさいませ」と題する投稿は衝撃を呼んだ。

■秋篠宮さまが浮上

 皇太子退位論は以前ならあり得ないほど「衝撃的」(週刊朝日)な主張だ。過去には皇室関連の記事を書き、テロに遭った言論人も少なくない。しかし、今回の皇太子退位論は異なる展開を見せている。朝日新聞はこのほど、山折氏のインタビュー記事を掲載し、議論は拡大の兆しを見せている。

 山折氏は自身の皇太子退位論について「弟君、秋篠宮殿下への『譲位宣言』を意味するだろう」と説明した。皇位継承者となる親王がいる秋篠宮殿下(47)が現在の皇太子の代わりに皇位を継承されるのが自然だとの意見だ。秋篠宮ご夫妻には06年9月に悠仁親王が生まれた。日本の皇室に男子が生まれたのは40年9カ月ぶりだった。秋篠宮殿下が皇位を継承する場合、雅子妃は皇后の地位を紀子妃に譲らなければならない。

 日本のメディアは皇太子ご一家よりも秋篠宮ご一家に愛情を見せている。週刊朝日は東日本巨大地震を受けた被害者への慰問など関連活動の回数が皇太子ご夫妻は3回にとどまったのに対し、秋篠宮ご夫妻は15回だったと報じた。同誌は「壮年の皇太子さまの公務日程は空欄だらけだ」と指摘した。

 秋篠宮ご夫妻の動向も気に掛かる部分がある。ご夫妻は今月25日、悠仁親王を連れ、伊勢神宮を参拝された。悠仁親王が皇室の先祖を祭る伊勢神宮を参拝するのは今回が初めてだ。

李漢洙(イ・ハンス)記者
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