大河ドラマ「平清盛」

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第1回『人間の私利私欲や、たくましさを描くドラマ』

中井さんが『武田信玄』を演じたときと今では大河ドラマに対する印象は変わりましたか?

25歳のときに『武田信玄』をやったときは、どう老けをやろうかと悩んだのですが、今は50歳で、忠盛の登場シーンは23歳という設定なので、今度はどう若くなろうかという悩みになっています(笑)。大河ドラマってそういう意味では、自分の年齢を実感できるバロメーターになるんですよ。
今のぼくのやり方は、松山くんの芝居をずっと見て、彼の去り方だったり歩き方だったりをマネすること。おそらく清盛は、忠盛の後ろ姿を見て育ってきたはずなので、今の清盛の動作は忠盛の若いころに似ているはず。だからぼくは若いときの忠盛を演じるときは、松山くんの動きをマネするという手法をとっています。

中井さんにとっての、大河ドラマとは?

ぼくは、視聴者の方にウソのないエンターテインメントをお見せすることが大河ドラマの責任だと思っています。歴史や史実だけを重んじるようなドラマになってしまったらおもしろみがないし、逆にドラマ性だけを意識しても意味がない。上質のエンターテインメントである歴史ドラマであることが大切です。そういう大河ドラマの伝統がこれからも受け継がれていけばいいなと思っています。

『平清盛』に出演されて、平安時代のイメージは変わりましたか?

かつては、やはりきらびやかなイメージがありました。でも、実際の平安時代ってものすごく町が臭かったそうです。めちゃくちゃ汚くて、臭かった。
今回は映像的にもリアリティーを追求しているので、そこまでやらなくてもいいんじゃないかと思うくらい汚されています(笑)。
当時はまだ、中国から文化が入って来てはいるけど、しっかり根づいていない、ある意味、未熟な時代だったような気がします。
ですから、そこに暮らす人間はやはりたくましく生きざるを得ない。そして、そういう時代の中で世の中を変えていこうとする人間たちのたくましく生きる姿は、おもしろいと思います。

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