ふだん着ているのは、武士の常装である直垂(ひたたれ)です。これは、真っ白な生地をまずストーンウォッシュにかけて、そのあとに淡いブルーに染めています。汚しがかかっているので若干ベージュに見えますが、実際は淡いブルーです。
大東さんには、この色がすごく似合うんです。
あと特徴的なのは、直垂に付けた大きめの紋様です。これは、ぼくがとても気に入っている紋様です。普通だと、生地と紋のコントラストをこれほどはっきりとは出さないものですが、家盛の場合はあえて紋様が目立つようにしています。
ここからはとても主観的なことで恐縮なのですが、ぼくのなかでいい家のお坊ちゃんが着ているものは、なぜか柄入りで、しかも生地とのコントラストがはっきりしている、というイメージがあるんです(笑)。柄と生地とのコントラストが強ければ強いほどお坊ちゃんなんです。
もちろん清盛との対比も考慮しています。ワイルドな清盛に対して、やさしくて、ちょっとお人よしなキャラクター像を家盛の衣装では表現しています。