“北面の武士”として仕事をしているときは、小豆色(あずきいろ)の直垂(ひたたれ)姿で、ときには中に鎧(よろい)を着込んだりしていることもあります。
これは、“北面の武士”の制服です。
清盛(松山ケンイチ)も同じ制服を着ていますが、キチッと着こなしている義清に比べて、袖をまくり上げたり、シワシワでホコリが付いたりして汚いですよね。シワだらけで不定形な感じの清盛と、折り目正しく端正な義清。この2人、仲がいいのですが、見た目は真逆な感じです。同じ制服なのに、ここまで違って見えるのかというくらい差を付けることが、互いの個性を人物デザイン的に表現する上では重要でした。
また、ふだん着の義清は黄色のやはり直垂です(写真右上)。
黄色をここまで着こなせる人はなかなかいません。
義清は、美しさのために生きているようなキャラクター。武士のなかでは誰よりも、端正で耽美的ですから、人物デザインにおいてもみやびやかな美しさの表現を大切にしています。しかしそれが、出家して西行になるとガラッと変わります。その変化をぜひ楽しみにしておいてください。