藤原摂関家の長である忠実、その長男である忠通と、次男である頼長。
3人ともに共通しているのは、まゆがなく、お歯黒だということです。
ただ、忠通だけ置きまゆにしていませんが、それは単純に烏帽子(えぼし)とまゆげまでの距離感の問題で、置きまゆにする必要がないという判断です。
忠実の場合は、さらにキャラクター色を強くするためにムラのある白塗りにしています。
これは、位が高いから白塗りにするという意味ではなく、この3人が全員白塗りにしていても問題ないのですが、3人のキャラクター分けとして忠実のみ白塗りにしています。どうしてムラのある白塗りかというと、
それは忠実の好みということですね(笑)。
忠実は、ムラのある白塗りが好みなんです!
いかにも平安時代というまゆつぶしや置きまゆ
ですが、この3人のキャラクターや立場なら、見ている方も納得してもらえると思うし、
逆にここで表現しないと、平安時代という舞台設定を牽引できないと考えました。
ただ、置きまゆの濃さには気を配りました。あまり濃くしてしまうと、現代人にとって見なれないものなので、そこだけに目がいき物語に感情移入しにくくなるので、濃さには気を遣っています。
衣装的には表現の幅はほとんどなく、すべてが決まり事です。
ですから、人物デザイン的に独自な表現をできるのは顔に限られていますね。