福永令三先生へ。
お元気ですか? クレヨン王国はいかがですか?
サードやまゆみ、カメレオン総理たちとは会えたでしょうか?
小学生の頃、両親は共働きで、あまりかまってもらうことはできませんでした。
図書館でクレヨン王国に出会って、親にも何冊か買ってもらって、たくさん読みました。
わたしにとってクレヨン王国は、お父さんやお母さんのかわりにいろんなことを教えてくれた、大切なところです。
いつか先生にも会いに行きたいと思っていましたが、先に行かれてしまいましたね。
「月のたまご」一番好きなシリーズです。
特に1巻の最後、原爆で亡くなった人たちがこけしになって守っている月のたまごをのぼらせるために、話しながら階段を登っていくところ、涙なしでは読めませんでした。
わたしがいつかそっちに行くころには、もっとたくさんのお話ができているかもしれませんね。
楽しみにしています。
ではまた、いつか。
(愛知県 33歳 女性 めもりさん)
わたしがクレヨン王国のとりこになったのは、母が小さいころに読んでいた『クレヨン王国の十二か月』をもらってからです。
もうかなりぼろぼろになっていましたが、一度本を開いたら、クレヨン王国の世界に吸いこまれてしまいました。
当時はあまり本を読む方ではなかったのに、すらすらと読めて、それから読書をたくさんするようになりました。
特に、青い鳥文庫を見かけると、必ず本をめくっていました。
「クレヨン王国」シリーズもすべて読んで、そのうちクラスでは、「本=わたし」という印象を持たれていたくらいです。
いまでも大好きで、ときどき読み返してはワクワクしています。
わたしはいま、小説家を目指しています。そう思うようになったのはクレヨン王国を好きになってかなり経ったころですが、一番最初のきっかけは福永先生です。
福永先生、本当にありがとうございました。
(東京都 小学6年生 女子 石井美空さん)
福永令三先生
「クレヨン王国」シリーズ、いまでも愛読しています。
わたしは小さいころにアニメの「夢のクレヨン王国」を観ていたので、初めて小説版を読んだときは、「え!? シルバー王女って子どもじゃないの? あれ? 野菜たちは?」などと、主にキャラクターのちがいにおどろいたものです(笑)。
でも、そんな驚きなどすぐに忘れて物語に夢中になりました。たしか、小学校の高学年のときだったと思います。おそろしい、生死をわけるような戦いが待っているわけでもない。日常から一歩ふみだしただけで出会うことのできるような、でも壮大であたたかいファンタジーに心ひかれました。
わたしはクレヨン王国が大好きです。シルバー王女が、カメレオン総理が、大臣たちが大好きです。「クレヨン王国」シリーズを読んでいるあいだ、わたしはクレヨン王国の住民になれる。それが、本当に楽しいです。
幼稚園に入る前からアニメ「夢のクレヨン王国」に親しみ、小学生で小説版の「クレヨン王国」を読みはじめたわたしも、もう高校生。本好きなのが高じて、いまでは自分でも小説を書いています。でも、なかなかうまくはいきません。小説を書くのって、むずかしいのですね。どうやったら、シルバー王女やカメレオン総理やアラエッサやストンストンみたいな、思わず友達になりたくなるようなキャラクターたちがやって来てくれるんでしょうか。きっと、待ってばかりじゃダメなんだろうな、とは思うんですが……。
ところで、福永先生。わたしは、福永先生が「死んでしまった」なんて思いたくありません。現実逃避とか、そういうわけじゃなくて、でも、そう思いたくないのです。「永遠に眠る」だの「冥福を願う」などというあいまいな言葉で全部を片付けてしまいたくないのです。そんなのじゃなくって、そうだ、福永先生はクレヨン王国に引っ越したんじゃないかな、と思っています。深い考えもなしに、ただなんとなくそう思ってしまうのです。
だとすれば、福永先生。けっして「永遠の眠り」についたりなんかせずに、クレヨン王国のようすをつづってください。それを青い鳥文庫にする方法は……あとで考えましょうよ(笑)。
ですからぜひ! お願いします、福永先生。
(京都府 17歳 女性 ちひろさん)
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