大河ドラマ「平清盛」

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建春門院滋子 成海璃子

滋子は、様式とは違うところで生きている人物です。でも、このころは置きまゆになっている。置きまゆにするということは様式に従うということです。一見これは彼女のこれまでの生き方に矛盾しているように思えるかもしれませんが、そんなことはないとぼくは思っています。滋子は、権力欲の強い女性です。それは平家と後白河法皇に対する愛情に根ざしています。権力化していくとは何かを受け入れ、何かを手放し、自分の奥底にある思いを通しながら、それらよりもっと大きなものを手に入れていくことだと思います。滋子の置きまゆは、ある意味で彼女のしたたかさや、懐の深さの象徴だと考えています。

ふん装的には、十二単(じゅうにひとえ)の上に唐衣(からぎぬ)を着ています。これは、十二単でも最も格の高い着方です。そして、このコーディネートに微妙な不協和音を与えているのが、黄色の唐衣です。通常は、十二単の色合いと同じ方向性の色をもってくることが多いのです。この場合、黄色はあまりあり得ない合わせですね。しかし、この一見不思議な色合わせが、滋子をとてつもない人物なんだというように視覚的な表現をしているわけです。
それにしても、後白河法皇と滋子のツーショットは、飛び抜けて異質ですね(笑)。強烈すぎる。そこがぼくはすごく気に入っています。

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