―― 金田さんが考える『ウィザードリィ』の魅力というのを語っていただけますか?
金田氏:
いやいや、それは増田さんのほうが詳しいでしょう(笑)。
―― (笑)。ま、拙者的には、キャラクタ育成、レアアイテム探し、緊張感あふれる生死ギリギリの戦闘、シンプルさゆえに膨らむ無限の想像力、こういった4点に集約されるかな、といつも答えているんですけど。
金田氏:
ええ、もうおっしゃるとおりです(笑)。
―― ずるい(爆笑)。では今度は逃げられない質問をしますね。ずばり、今作『五つの試練』の魅力はどういう部分でしょう?
金田氏:
1つ1つのシナリオはそんなに大きなものはないですが、5つあるので、飽きずに年単位で、そして自分のペースで遊んでもらえるかなと。
―― 確かに、ドカッと激長シナリオが1つあるより、中くらいのシナリオを小刻みにプレイしていくというスタイルのほうが、飽きず疲れずにプレイできますよね。コアな『ウィザードリィ』ファンは、もうみんなそれなりのお歳になっていますからね(笑)。体に優しい『ウィザードリィ』なのかな(笑)。
金田氏:
どうでしょうね(笑)。あとはやはり、シナリオ作成ツールですね。『ウィザードリィ』でこういうのがついたのは初なんですが、出すのは最初はかなり迷ったんです。みんなが使ってくれて、いっぱいシナリオが出てしまうと、我々の次の商売がなくなってしまう危険性もある(笑)。だけど我々もプロですし、面白いものを作っている自信もありますから、そういうののせめぎあいでしたね。
―― なるほど~(笑)。
金田氏:
もう1つシナリオ作成ツールの話をすると、仕様に関しても最近まで迷っていました。このツール、そのまま出すと『五つの試練』と同じようなものが作れてしまうんですが、あまり多機能すぎるツールにしても、一般の方は1本作るのに数ヶ月ぐらいかかってしまうのではないかと。なんでもできるようにすると、作るのも非常に手間がかかるようになってしまうんです。だったら、モンスターとアイテムなんかは、固定にしてしまえという案が出てきた。一番手間がかかるのは、結局モンスターとアイテムのデータ部分なんですが、それをある程度固定にしてしまって、マップ作って、あとは配置だけすればオーケーにしとこうと。
―― 作り方が簡潔になるのは拙者も賛成ですね。結局、どのへんのレベルまで簡潔になるのでしょうか?
金田氏:
まだ詳しくは言えませんが、みなさんの期待に応えられる仕様にはなると思います。
―― 個人的には、遅れてもいいから、拙者でも作れるような簡潔な仕様を望みます(笑)。ということで、気になる配布予定日のほうは……?
金田氏:
シナリオ作成ツールにサンプルゲーム付きという形で、8月中には出せると思います。
―― そうですか。シナリオ作成ツールを使った今後の展開なんかがあれば、聞かせていただきたいのですが。
金田氏:
うーん、発売元のIRI-CTさんに相談しないと、どこまで言っていいのかわからない(笑)。
―― たとえば、ユーザーが作ったシナリオを募集して、ネットで配布したりできるのかなーと。
金田氏:
ええ、基本的には、一般に公開・配布するためのサーバシステムも開発提供予定ですので。
―― 期待しております。それでは最後に、『五つの試練』をプレイしているユーザーに最後に一言お願いします。
金田氏:
末永く遊んでください。あとは、ぜひ頑張って面白いシナリオ作ってほしいですね。増田さんも(笑)。
―― 拙者はどうかわかりませんが(笑)、ユーザーの独創的なシナリオがドンドン登場して、また『ウィザードリィ』が盛り上がることを祈っています。
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