記事 冤罪

身に覚えのない事件で逮捕されたら、どう対応すればいいのか?

弁護士ドットコム

2013年03月30日 15:18

身に覚えのない事件で逮捕されたら、どう対応すればいいのか?

誰しも冤罪事件には巻き込まれたくはないだろう。ましてや、ある日突然、警察に踏み込まれ、身に覚えのない罪で逮捕されるなんてことは――。パソコン遠隔操作事件では、片山祐輔被告が3月22日、ハイジャック防止法違反などの罪で起訴されたが、これまでに4人の「無実」の人間が「誤認」逮捕されていた。

万が一の事とはいえ、それまでの平穏な生活が奪われるとなれば、どれだけハラのすわった人でもパニックに陥いるだろう。痴漢と間違われたくない人のなかには、電車内で「つり革を両手で持つ」などの対策をしている人もいるそうだが、冤罪事件に巻き込まれないように毎日を過ごすのも息苦しいかもしれない。

では、冤罪事件に巻き込まれたとき、深呼吸の次にすべきことはなんだろうか。身に覚えのない罪で逮捕されたり、取調べを受けた場合、どう対応すればいいのだろうか。石井龍一弁護士に聞いた。

●もしも逮捕されてしまったら、「当番弁護士を呼んで下さい」と依頼すべし

「身に覚えがない理由で逮捕されたとしても、まずは抵抗せずおとなしく対応すべきです。ここで暴れたりすれば公務執行妨害罪など、本当の犯罪が成立してしまうことになりかねませんし、逃走などすれば、さらに強く疑いを抱かせることになりかねません」

罪を犯していないのに逮捕されてしまった場合の対応として、石井弁護士はこのようにアドバイスする。では、逮捕後はどうすべきなのだろうか。

「逮捕後はとにかく、当番弁護士を呼んで下さい。当番弁護士とは、各弁護士会が行っている制度で、その日の担当弁護士が、逮捕された人に面会に行く制度です。

初回の面会は無料です。警察官(場合によっては検察官)に『当番弁護士を呼んで下さい』と伝えれば、その地域の弁護士会に出動要請が連絡され、ただちに弁護士が面会に来ます」

●弁護士が来るまでは、何も話さないほうがいい

当番弁護士を呼んでもらうよう依頼した後は、どうするのがいいのだろうか。

「弁護士が来るまでの間は、捜査機関には何も話さないほうがよいです。黙秘権が保証されているからです」

このように石井弁護士は助言する。当番弁護士が到着すれば、その弁護士と話をすることになる。

「その後の取調においても黙秘を続けたほうがよいのか、あるいは嫌疑を晴らすために積極的に事情を説明したほうがよいのかについては、面会にきた弁護士から助言を受けることができます。

また、初回面会後も弁護士に弁護活動を依頼すべきかどうか、その場合の費用はどうなるかについても、弁護士に相談して下さい。経済的事情により負担が少ない方法で弁護士を頼める制度もありますから、そうした制度の説明も受けられます」

ほとんどの人にとって、逮捕というのはめったにない経験だろうが、人生に「絶対」はない。もしもそんなことが起きたときのために、「当番弁護士を呼んで、それまでは黙っている」という対処法を頭に入れておくといいだろう。

(弁護士ドットコム トピックス編集部)

【関連記事】

【取材協力弁護士】

あわせて読みたい記事

関連記事一覧(69)

独自の法的観点から解説し、ニュースの核心に迫ります

新着記事

働く前に読んでおきたい6つの話

話題の記事をみる - livedoor トップページ

意見

意見(コメント)の投稿について

注意!livedoor ID または Yahoo! ID で
アカウント認証を行っているユーザーのみなさまへ

この度ガイドラインの変更にともない、意見(コメント欄)への書き込みには facebook ID、twitter ID または mixi ID での認証が必須となりました。以下のボタンより認証するIDを選択して、追加認証を行ってください。

総合ランキング

ランキング一覧

編集長のおすすめ

BLOGOSを使いこなそう!

こんな記事はいかがですか?

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

意見を書き込むには FacebookID、TwitterID、mixiID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDまたはYahoo!IDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。