「施設の一部を朝鮮総連に貸したい」3月29日 20時49分
競売にかけられた朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の中央本部の落札者に決まった鹿児島県の宗教法人の代表がNHKのインタビューに応じ、北朝鮮の最高クラスの幹部らから施設が第三者に渡らないようにしてほしいと相談されていたことを明らかにしたうえで、施設は戦没者の供養の場として使い、日本政府の同意が得られれば一部を朝鮮総連に貸したいとする考えを示しました。
45億円余りの価格で入札し、落札者に決まった鹿児島県の宗教法人、最福寺の池口恵観法主は、29日、NHKのインタビューに応じました。
この中で、池口法主は施設の活用方法について「民族融和の拠点にするとともに、先の大戦で亡くなった人を供養する場として、誰もが訪ねることができる寺にしたい」と述べました。
また、45億円余りの資金の調達方法については「金融機関から借りる予定で、見通しは立っている」と述べ、寺が保有する資産などを担保に集める考えを示しました。
入札に至った経緯については「北朝鮮を訪れた際、ナンバーツーのキム・ヨンナム最高人民会議常任委員長ら高官から『中央本部は事実上の大使館であり、なくなれば日朝関係が悪化するので、そうならないよう動いていただきたい』と相談された。政治家らに働きかけたがかなわなかったので、自分の判断で落札しようと考えた」と述べました。
そのうえで「日本政府の同意が得られれば、次の移転先が決まるまでの間、施設の一部を朝鮮総連に貸すことも検討したい。今回の行動が日朝関係の改善につながることを期待したい」と話しました。
池口氏北朝鮮を5回訪問
最福寺の池口恵観法主や寄稿している政治団体の機関紙などによりますと、池口氏は昭和11年に鹿児島県の修験道者の家庭に生まれ、和歌山県内の私立大学を卒業したということです。
昭和48年に鹿児島市に最福寺を設立し、多くの人が護摩木をたく護摩行を行うために寺を訪れています。
政治家や有名スポーツ選手などとも交流があり、元阪神タイガースの金本知憲選手なども護摩行に訪れています。
また、池口氏は北朝鮮の関係者との親交もあります。
北朝鮮には平成21年に戦没者の供養を行うため初めて訪れ、これまでに合わせて5回現地を訪れたいうことです。
去年4月にはピョンヤンで開かれたキム・イルソン主席の生誕100周年を祝う行事にも出席しています。
池口氏は北朝鮮との関係について、政治団体の機関紙で「朝鮮半島で起きたさまざまな戦争での戦没者などの慰霊祭を北朝鮮で行い、北東アジアに平和をもたらしたいと考えた」と述べています。
また、昭和45年に起きたよど号ハイジャック事件に関わったメンバーとも交流があり、北朝鮮を訪れた際に面会したということです。
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