伊賀市校区再編:上野西部地区に新設予定「成和小」、14年度開校は困難 市長「住宅地から遠い」 /三重
毎日新聞 2013年03月09日 地方版
伊賀市の校区再編で上野西部地区に新設予定の「成和小」(仮称)について、岡本栄市長が8日の定例記者会見で、地元住民らが要望している14年度開校は困難との認識を示した。予定地の旧成和中学校(上之庄)を「住宅地から離れており、地域で児童を見守れる環境にない」とし、住民らでつくる検討協議会に再考を要請したという。「地元の意見を改めて集約してもらったうえで事業を進める」と話した。【伝田賢史】
12年3月に統合・閉校した成和中の校舎を活用し、周辺の花垣、花之木、古山、猪田の4小学校を「成和小」へ統合する計画。4小の児童数は35〜72人で、最多の猪田を除く3校が複式学級を編成している。
岡本市長は会見で、旧成和中が住宅地から離れた林の中にあり「候補地としてふさわしくない」と指摘。校舎の改修費に9億円かかるとして「18億円かけて建設した校舎で、市民の理解が得られるだろうか」と疑問を示した。昨年11月の就任後、岡本市長は校舎の基本設計の中断を決定。新年度当初予算にも、事業費を計上しなかった。
7日閉会の定例市議会で、14年度開校を要望する地元住民の請願が賛成多数で採択されている。岡本市長は「『整備しない』とは言っておらず、私の方針は請願の方向と食い違いはない。地元の意思をはっきり示してほしい」と述べた。
〔伊賀版〕