意外と知らない資金管理の基礎の基礎
読者の方から質問が上がった「資金管理」の話をしますね。
質問の内容は…
分割売買について書かれていたので、少しやってみたんですが上手くいかず収拾がつかなくなって混乱してしまいました。また「理屈でまず、勝てるルール(資金管理)」というのは、モンテカルロ法などのことを指してるんでしょうか?
2つ質問があがってますね。何事にもまず自分でやってみる姿勢はいいと思います。でも、「収拾がつかず混乱した」とあります…。
当たり前です!! 「分割売買」は理屈をきちんと頭に入れて、何度も練習しないと使えない技術なんです。闇雲にやったら、口座がすぐにふっとびますよ(笑)。
今日はギャンブルに例えて、資金管理の基本になる考え方を説明したいと思います。
期待値とオッズ
師匠(為替和尚)が、競馬に例えていたので、うちもその方向で。
中央競馬はフルゲート18頭ですが、ものすごい強い馬が2頭いて、他の馬が出走を回避し、結局出走頭数2頭になったと仮定します。
東京競馬11R 芝2400m G1 「為替和尚記念」
枠 | 馬 | 馬名 | 騎手 | オッズ |
1 | 1 | アガリキャップ | 河内洋 | 2.0 |
2 | 2 | サガリマックイーン | 武豊 | 2.0 |
しかし、サガリマックイーンとは、ツキが落ちそうな名前ですね(笑)。
実力拮抗なので、2頭についたオッズは2.0倍。あなたの資金は1000円だとします。さて、あなたならどう賭けますか?
(1)2頭に均等に賭ける
どっちが勝つかわからない。だから、2頭に500円ずつ賭けよう! 出走馬すべてに賭けるので、的中率は100%ですね。
100%的中するので、2.0×500円=1000円。つまり、「チャラ」です。
馬券を勝ってもチャラということは、参加してもしなくてもあなたの資金は変わらないということです。
これではおもしろくない。あなたは思うでしょう。
(2)1頭に満玉賭ける
オッズは拮抗している=実力伯仲。なら、どの馬買っても期待値は1/2だ!
そこで、あなたは1番アガリキャップに満玉1000円を投入します。
当たれば2.0×1000円=2000円。資金が2倍になります。
外れたら資金は0円。あなたの資金はすべてなくなります。
しかし、1/2の勝負とはいえ、1回の勝負ですべての資金をリスクにさらすのは、「博打」以外のなにものでもない。
でも、知らず知らずのうち、熱くなってこういうギャンブルトレードになっていることが結構あるんですよ。
これを投資に変えるには、リスクをコントロールする必要があるんです!!
胴元の取り分(控除率)入れると?
競馬には胴元(JRA)がいます。2頭出走して、どちらも2.0倍のオッズだと、胴元の取り分がないですね。だから、オッズというのは目減りするのです。
東京競馬11R 芝2400m G1 「為替和尚記念」
枠 | 馬 | 馬名 | 騎手 | オッズ |
1 | 1 | アガリキャップ | 河内洋 | 1.5 |
2 | 2 | サガリマックイーン | 武豊 | 1.5 |
これならどうですか?
同じオッズなので、期待値はやはり1/2です。どちらに張っても同じです。しかし、オッズが胴元の取り分だけ目減りしているので、500円ずつ張っても、500円×1.5=750円となり、2頭にかけて的中しても資金は目減りしちゃいます(「FXで勝つための2つの条件」という記事を参考にして下さい)。
この条件で勝つには、バランスを崩して資金配分の比率を変える必要があります。バランスというと、ついつい両建てを思い浮かべますが、どちらかに1頭だけを買う片ばりもバランスを崩した状態と言えます。
2頭を買うのが50%-50%のバランスだとすると、「アガリキャップ」1頭だけを買うのは、100%-0%のバランスだと言えます。
オッズが拮抗している状態というのは、FXでいうとレンジ状態ですね。
でも、いつまでもレンジは続かないので、オッズもたいていばらけます。
アガリキャップ 2.0倍
サガリマックイーン 3.0倍
※例えを単純にするために、控除率を無視します。
これだったらどうですか? アガリキャップに人気が集まり、1番人気になってます。みんなが、この馬が勝つと思っているから、馬券が売れて人気になります。サガリマックイーンは名前で敬遠されたのか、やや人気がないです。
オッズは、みんながこの馬が勝つと思えば人気になってオッズは下がり、勝ち目が薄いと判断されれば倦厭されて人気薄になります。
相場の場合、市場参加者が上がると思えば、買い方向に偏るし、下がると思えば、売り方向に偏る。つまり、
オッズの仕組みと市場心理
は似ている
ちゅうことです!
さて、バランスの話に戻ると、オッズがバラけているので、1000円満玉を
アガリキャップ 2.0倍×700円=1400円
サガリマックイーン 3.0倍×300円= 900円
人気のアガリキャップに多めに賭けました。サガリマックイーンが勝った場合は収支がトントンになるように配分します。
アガリキャップが来れば+400円の利益。サガリマックイーンが来ると-100円です。でも、2頭買っているにもかかわらず、資金配分は均一じゃないですね。これが
バランスを崩した状態
なんです! もともと、実力拮抗だったから、期待値は1/2だったはず。でも、アガリキャップ有利と見るや、アガリキャップのほうが人気になる。だから、あなたもアガリキャップが来る確率にかけて、「資金配分のバランスを崩して」アガリキャップに厚く賭ける。
その結果、アガリキャップが来れば、+400円のリターンを得られ、サガリマックイーンが来た場合には、逆に-100円の損をします。
つまり、リスクは-100円、リターンは+400円。「リスクリワードレシオ」は1:4になります。
追い上げとの違い
最後に、追い上げとバランスの違いを書きます。
追い上げは、基本的に片バリでつかうものです。さきほどの例でアガリキャップの2.0倍にかけ続けたとしましょう。アガリキャップが来る期待値は1/2です。
1回目: 賭け金=100円 不的中
2回目: 賭け金=200円 不的中
3回目:賭け金=400円 的中 400円×2.0=800
収 支: 100円=払い戻し(800円)-賭け金(700円)
これが基本です。マーチンゲール、モンテカルロ法、ウィナーズ、馬法の方程式など、さまざまな追い上げ法がありますが、追い上げをひとことで説明すると
的中率を次回投入資金
でコントロールする
ってことなんです!!
さぁ、まとめますよ。
「バランスを崩す」というのは、基本両建て(全通り買い)です。でも、どこかのタイミングで資金配分を変えて、儲けの出そうな方に厚く賭けるやり方です。
「追い上げ」は、基本片張りです(不的中リスクあり)。だから、不的中のリスクを次回投票金額を変えてコントロールするやり方です。
似て非なるものです!!
こう書くと、違いがわかってもらえると思います。
とりあえず、まずしっかりとした根拠でエントリーできることが先決ですね。
今回の記事ありがとうございます。すごくわかりやすかったです。
和尚さんの記事だと余計わからなくなってしまいモヤモヤしていたのが晴れました。ただ、これをFXでどう使っていくか、またこれを反復練習してできるようにならないとだめですよね。初心者はまずこれを
何度となくやったほうがいいという例があったら書いてもらえるとありがたいです。今後も楽しみにしてます。