【ウランバートル=小野甲太郎】安倍晋三首相は30日、モンゴルのウランバートルを訪れ、アルタンホヤグ首相やエルベグドルジ大統領と相次いで会談した。首相との会談では経済連携協定(EPA)交渉の加速で一致。資源開発を含む新たな経済協力の枠組みとなる「エルチ(活力)・イニシアチブ」に合意した。
日本の首相のモンゴル訪問は2006年の小泉純一郎氏以来。資源国との関係を強め、エネルギー外交を進める狙いだ。会談後の共同記者会見で安倍首相は「モンゴルは資源大国。技術力を持つ日本がこの分野で協力するのはウインウインの関係だ」と強調。アルタンホヤグ首相は「協力関係を発展させる」と述べた。
エルチ・イニシアチブでは、石炭やレアアースなどの資源開発に向けて日本の投資を促す。EPAでは4月2日に3回目の交渉に入る。モンゴルの大気汚染対策に技術協力し、火力発電所増強への協力で日本は約42億円の円借款を供与。世界最大規模のタバン・トルゴイ炭田開発で日本企業の参画への期待感も示した。
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朝日新聞官邸クラブ