2013-03-28 09:56 | カテゴリ:未分類

飯館村臼石の細川牧場はそこを通るたび気になっていた。2011年の震災直後は一時牧場には何も生き物がいなくなったと思ったら、何か月かして牛が放牧され、馬が放牧されて草を食んでいたからである。なぜこんな放射線の飛び交う危険なところに放牧しているのか、まったくよそ者の小生には理解ができなかった。今回偶然オーナーの細川徳栄さんに会って、案内されて、敷地内に入って測ってみると放牧地内での空間線量は3.5-4.5μSv/hrであった。放牧地は全く除染していない

 

道路側から見ると、今回は10頭ばかりの馬が放牧されており、遠目に馬が2頭横になって寝ていた。1頭は全く横になっていた。馬がそんなすがたで寝ている姿はあまり見ないので、もしかして死んでいるのかな、と思ったのだが、我々の声を聞きつけたのか1頭が頭をもたげた。しかし白い馬は寝たままであった。

 

付近の道路の芝生をひっくり返している部分に線量計を当てるとなんと8.5μSv/hrあった。少し意図するところがあったのでこの土をビニール袋(Ziplock)に採取していた。そこにまったく偶然のタイミングで軽トラックで反対側の斜面のミニチユア馬の牧場に配合飼料をやりに来たテンガロンハットをかぶった人物が車を止めて降りてきた。、「何やってんだい?土取ってんのかい?そんなことより馬がどんどん死んでるんだよ。全部放射能のせいだよ」と言い放ったので少し驚いた。たがいに名刺を交換して自己紹介すると、

 

「馬の死体があるんだ、案内するからに来ないか?」というので、まずそのミニチュア馬牧場の敷地に入った。

 

最初に白骨化した死体を(写真1)、
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 (写真1)


次に野鳥や狐に食いちぎられた死体を(写真2)、
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 (写真2)

つぎに最近死んだという死体(写真3)に案内された。
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 (写真3)
  

この直近の写真3の死体は南相馬の家畜保健所が調査に来て「伝染病ではない、と電話で言われて今日その報告書が浪江町の郵便局に届くはずだ」ということであった。

  

次に道路下の広大な普通の馬の放牧地に下りて行って馬の異常を紹介された。先ほど寝ていた白馬が泥で馬体が汚れていたのだが、それをあえて細川さんが大声で小枝を掲げて追い立てると、馬はびっこを引き気味に奇妙な速歩を見せた。この馬は右目に黄疸が出ており、ひざがやられているということであった(写真4)。
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 (写真4)

後に飼料やるときに、かいばおけに首を突っ込んでいるのを近くでよく見ると、右目は白内障または失明しているのではないかと思われた。まったく元気がない。さらにもう一頭茶色の馬が膝がやられておりこれも歩き方がぎこちなかった。「放射能の影響はまず馬の膝に来る」というのが細川さんの意見であった。足がやられることは馬にとっては致命的なことである。競馬なら即殺処分の対象だろう。

 

それから自宅に案内されて、明日東京の東電本社に出かけて行って、娘さんと細川さんの友人の娘さんと、自分たちのオジーちゃん代から先祖代々馬のボランテイア事業をしていたことの説明に行くので、その証拠写真や書類の整理をしているということであった。(写真5)。 
 
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  (写真5)

細川さんは細川牧場を経営して「花塚ボランテイア活動会長」を務めこれまで全国の馬のイベントに馬を提供してきた、その多くの過去の華々しい、誇らしい写真を見せていただいた。神田明神、相馬馬追いなど数多い有名な神事イベント、水戸黄門などの多くの映画ばかりでなく、各地での盲人のホーステラピーにも貢献している。今回の原発事故ですべてのイベントへの参加が困難になって馬の飼料代が調達できなくなったことが新聞などで報道されて、全国から支援の義捐金が届いておりその書留の袋が積まれていた(写真6)。
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  (写真6)

全員に対して必ず何らかの形でのお返事を出しているということであった。

 

昨年、細川さんが馬の被害(価格の暴落)に対する賠償金を東電に訴えたのに対して「細川牧場は馬を平成22年と23年に87頭もの飼育していたという証拠がないので賠償金を支払えない」という回答書に対して、はらわたが煮えくり返るような怒りをぶちまけていた。そのことで本日(3月28日)東電に交渉に出かけるとのことである

 

昼食の後、馬のかいばおけに配合飼料をたっぷり与え、牧場に稲わらをところどころに置いていく作業をすこしだけお手伝いさせていただいた。まだ放牧地には低温で牧草がまったく生えてきていないが、これから緑になるのだそうである。馬の水飲み場になっている山からの湧き水を放射能測定用に採取した。

 

まったく先が見えない。生きがいを奪われた。でも今飼っている行き場のない馬のためには最後まで付き合っていく。それが私の先祖からお世話になってきた馬に対する<鶴の恩返し>だから」 と語っていた。


  

付記1: 細川徳栄さんの住所と電話は以下の通りです。1人でお住まいです。いつでもご連絡くださいとのことです。携帯電話が都合がよいようです。電話の着メロには大音量の浪花節がいきなり聞こえますので驚かないでください。

細川牧場 花塚ボランテイア活動会長 細川徳栄

〒960-1633福島県相馬郡飯館村臼石字町123-1

TEL/FAX(0244)42-0303

携帯 090-9742-3141

付記2: この2年間で生まれた子馬15頭ほどがほとんど死んでいった、とのことです。いろいろもっと細かい数値的な情報が聞きたかったのですが、明日の東電との交渉に忙しそうだったので、聞きそびれています。小生は放射線の馬に対する影響の研究論文を読んでいないので、あえて今回は、現在進行形の事実のみを紹介しました。獣医畜産関係者は是非細川農場を訪れて本格調査をしてもらいたいと思います。それが細川氏の強い希望でもあります。
 
追記1:  ウマの放射線障害に関して以下の記述があった。

チェルノブイリ原発事故による環境への影響とその修復:20年の記録(IAEA著:日本学術会議翻

 

215頁

 

ベラルーシ領内の高度に汚染されたコイニキ地区から、事故発生の1 年半後に避難させた2000頭の羊と300 頭の馬(38 歳)に慢性放射線障害が見られた[6.26]。線量は推定されていない。羊については、全身状態の悪化、衰弱、呼吸障害、低体温、その他の異常が見られた。また、白血球減少、赤血球減少、血小板減少、好酸球増加、正常よりも1.5 -2 倍高い血糖濃度、甲状腺ホルモン濃度の正常値に比しての著しい低下、が見られた。被曝した羊の子孫の体重および羊毛収穫量は、健康な個体に比べ、半分かそれ以下という所見であった。馬については、放射線被曝による影響として、全身状態の悪化、浮腫、白血球減少、血小板減少、好酸球増加、そして骨髄球増加が見られた。家畜の70 パーセントで、血清中の甲状腺ホルモン濃度が各種分析法の検出レベルよりも低かった。

2013-03-26 08:05 | カテゴリ:未分類

桜情報にあわてて、皇居の北の丸の千鳥ヶ淵の桜を見に行った。学部学生の頃、北の丸公園側にあった東京学生会館という、敗戦で近衛連隊が逃げて行った兵舎あと(現在は観光バス駐車場)に住んでいたので、桜の季節になると、千鳥ヶ淵と、近くの靖国神社の桜が懐かしい。

 

JR飯田橋で降りて、お濠を渡るときに、市ヶ谷の満開の掘割桜並木を右手に見て、だらだら坂を上って靖国神社に至る。すでに靖国神社は桜が満開で毎年恒例の屋台がでて参拝客で大賑わいであった。見上げるばかりの高さの大村益次郎の銅像の建っている横門をでて、靖国通りを向こう側に渡って400メートルにわたる「千鳥ヶ淵」に人々の雑踏にもまれて桜並木や、対岸のお濠にしだれる桜を堪能した。今回は時間があったので、右手にある「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」に入ってみた。ここは過去10年間ぐらい入ったことがなかったので、改めて新鮮であった。あまり、人が参拝していなかったが、献花台の横で1本100円の白と黄の菊が売っていて、人々がそれを買って献花したのがうず高く積まれていた。小生も献花した。

 

久しく来ていなかったので、全く知らなかったのだが、献花台に向かって右側には大きな今上天皇の御製の碑が新しく建てられていた。
 

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碑には

 


 

戦なき世を

   歩み来て思ひ出つ

 かの難き日を

    生きし人々

 

 

と書かれ、ほかの右下の説明文の碑には

Poem by His Majesty the Emperor.

Having walked through times when there was no such great war,

my thought go out to the people who had lived through

those days of cruel hardship

 

この碑は終戦60周年を迎えるにあたり、新春歌会始の儀で読まれた今上陛下の御製を常陸宮紀殿下が謹書され、平成17年(2005年)9月27日竣工したものです。

 

とあった。
 

  

      そのあと竹橋通りに出て、右手に英国大使館の前の満開の桜並木を彼方に眺めてから、近衛師団本部跡の再装飾したきれいなレンガつくりの建物内部に入って200円払って工芸品の展示物を見学し、左のお濠の中に入り千鳥ヶ淵内の公園の上からお濠側を見下ろすかたちで桜やボートを鑑賞した。余計な心配かもしれないが最近この千鳥ヶ淵回遊ルートが知られて、人が増えてこの公園の樹の根が踏まれてずいぶん痛んでいる様に思った。枯れ枝が増えて切り落とされている。そろそろ根の周辺を踏圧から隔離しなければ、根が窒息して多くの樹が枯れるだろう。
 

   

      眼下に更地でバス駐留場になってしまった懐かしの東京学生会館跡があり、その向こうの田安門わきには武道館があり、法政大学の卒業式が行われていた。そこらへんは昔は東京学生会館の運動場であり、なおかつ1960年の安保闘争の時には第一機動隊がデモ隊鎮圧訓練をしていたところでもある。つわものどもが夢のあとである。
 

 

 

(森敏)
付記: かの難き日を は かのかたきひを  とよみます。

2013-03-23 05:19 | カテゴリ:未分類

週刊朝日(2013315日号)が 「機密ファイルが暴く「原子力村」の闇」

というタイトルで、かつてのウラン採掘鉱の人形峠で「動燃」(現・日本原子力研究開発機構)が行ってきた機密工作 (いわゆる住民対策、あるいは住民宣撫工作) について当時の動燃幹部で、49歳で変死した西村成生(しげお)メモ(段ボールを5箱分!)を紹介している。これは 累々たる証拠に基づく重大なスクープである。このタイトルはその第1弾である。現在3週目の週刊朝日には第3弾が掲載されている。入手できない人は地域の図書館でぜひ読んでもらいたい。

 

この第1弾の記事の最終のところには、人形峠でのウラン開発に対する地元反対派住民を抑え込むための動燃による工作の3つの手法が、西村メモに基づいて紹介されている。

 

一.「タレントとの会食を通じて洗脳」

二.「津山圏は水面下でゲリラ戦」

三.「広義な話題を提供し、問題を希釈させる」

 

という「3つの宣撫(せんぶ〉工作」である。

第二番目の詳しい解説はここでは省くが、これは現在でも東海村で行われていると第3弾の週刊朝日の記事で紹介されている。すべてまさしく日本版CIA活動である。

 

この第三番目の項目はまさしく福島で現在進行形の宣撫工作である。地元新聞社を巻き込んで原発再稼働を狙う ICRP(国際放射線防護委員会) などの関係者が総力を挙げて放射能の安全性を訴え続けている。

 

「放射能は正しく怖がりましょう」

「現在の内部被爆は心配ありません」

いまの甲状腺がん患者は放射線被ばくと関係ありません

福島の甲状腺肥大はほかの地区よりも低いので甲状腺肥大を心配する必要はありません

「市場に出回っているの食品は規制値をクリアしているので一生食べ続けても安全です」

「世界では年間積算放射能が10ミリシーベルト地帯でも安全に人々が住んでいます。年間1ミリシーベルトは安全すぎます」
「総被曝線量100ミリシーベルトが放射線による発癌の閾値で、それ以下は影響がありません。そこまで浴びても大丈夫です」

などなど。
 

そのうちだれか放射線に無理解な地元出身の芸能タレントが、汚染現地に頻繁に出かけていってイベント行い、子供たちに、「ほら、おねーさんたちも大丈夫だから、何も怖がることなんかないよ!」「どんどん地元の学校に復帰しましょうよ!」「なんたって故郷(ふるさと)は懐かしいからね!」などと避難解除区域の小中学校に入っていってじゃんじゃん宣伝し始めるのではないか。上記の第一番目の芸能人を使った宣撫工作ある。
 

何しろこの国は第一番に科学に疎い政治家たちが地元の放射能汚染キウリやトマトをほおばって、安全をパフォーマンスする実になさけない国だから。大広告会社が、いまかいまかと、手をこまねいて芸能人使用の機会を狙っているだろう。その広告会社への財源は、値上げした電気料金から電力会社に支払われる宣伝費からである。 もちろん目標は原発再稼働である

週刊新潮では堂々と実名入りの「御用学者」を名乗る反・原子力規制庁キャンペーンがすでに連載で始まっている。政権が変わったからなのか彼らの意気軒昂さはちょっと尋常ではない。すべて、原子力村科学者たちによる <巻き返しの構図> である。実にしぶといね。
 

 

(管窺)
追記:今週号(3月14日号)の週刊新潮の記事は以下の通りである。タイトルは
御用学者と呼ばれて(第5弾) 原子力と地質・地磐の専門家座談会
非科学がまかり通る「原子力規制委員会」の危険な真実
出席者名: 澤田哲夫(東京工業大学助教・原子核工学)/奥村晃史(広島大学大学院文化研究科地表圏システム学講座教授・自然地理学)/伊藤洋(電力中央研究所地球工学研究所研究アドバイザー)/岡本孝司(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻専攻長)

 

2013-03-22 04:27 | カテゴリ:未分類

使用済み核燃料が温度上昇で暴発寸前までいったり、実際に危険温度と言われている65度を超えてしまったら住民は大パニックになっていただろう。そんな事態はこれまでになかったからである。

だから、想像力を働かせて、全国の原子力発電所や自治体は「ストレステスト」をしておく必要がある。使用済み核燃料事故用の避難マニュアル作成が必至である。

  
そのためにも今回の事件は典型的なケースワークとして詳細な検証が必須である。

   

たとえば、

1.なぜ使用済み燃料棒の冷却塔への給水電源は2年間も仮設電源で放置していたのか? 今後、いつまでにどう対処するのか?

2.複数の補助電源を確保していると称する原子炉の<停電バックアップ体制>は本当に有効に作動するのか? ストレステストをやったのか?

3.今後の野生動植物への対策は?野鳥(スズメ、ハト、カラス、カモメなど)も空からの障害物になりうる? テロなどの空域パトロールはやっているのか?

4.全住民への情報伝達内容は正確かつ迅速だったのか?

5.情報を受けた県・市・町・村の首長は迅速な住民対策にどう動いたのか? 首長は東電に対して文句を言うだけでは済まない。

6.住民は情報をどう受け止め、対処すればよかったのか?

7.原子力規制委員会はどう動いたのか?

8.官邸はどう動いたのか?

9.今後の事故対策マニュアルはだれが作成するのか?

 などなど
 
  

(管窺)
 

追記:以下のように、関係者たちの「居直り」と「謝罪」で済む問題ではない。このままだときっと将来重大事に至る同じ過ちを繰り返すだろう。

  

県、原発停電公表せず 「東電任せ」姿勢変わらず

 東京電力福島第1原発で18日夜に起きた停電で、県には東電から約50分後に一報が入っていたが、県民に向けて事実を公表していなかった。発表が約3時間後だった東電の不手際が目立つ一方、県民の安全確保に責任を果たすべき県の当事者意識も問われる結果となった。
 県の古市正二生活環境部次長は19日、報道陣に対し、県が情報を発信しなかった理由について「東電からの説明が正確で重要だ。東電が当然、情報提供すべきだ」と弁解。今後の対応は「指摘を留意して東電に(早期の情報発信を)促したい」と述べるにとどまった。
 東電から連絡を受けた当時の対応を振り返り、県は「原発周辺の放射線量に目立った変動は確認されず、直ちに住民の避難が必要になるような状況ではないと判断した」と説明。情報収集を続け、復旧を急ぐよう東電に求めただけだった。しかし、県が積極的に情報を発信していれば、県民にいち早く伝わった可能性があり、問題発生時の初動対応で「東電任せ」の姿勢から抜け出していない実態を浮き彫りにした格好だ。
(2013年3月20日 福島民友ニュース)
 

東電福島代表がトラブルで謝罪 「不安顧みるのが不足」
2013321 1850

 東京電力福島本社の石崎芳行代表が21日、福島県庁で記者会見し、福島第1原発1、3、4号機の使用済み燃料プールの冷却システムなどが停止したトラブルについて「大変な心配と迷惑をお掛けし、深くおわびする。一日も早く原因を究明し、対策を講じる」と謝罪した。

 石崎代表は、福島原発事故後、特に4号機について「建物が傾いているのではないかなど、指摘や不安があったことは重々承知していた」と認め「冷却ができないと聞いた県民の皆さんがどう思うか、顧みるのが不足していた」と述べた。

 地元自治体への通報や報道各社への広報については「起きたことをすぐ公表することを徹底していきたい」とした。

(共同)

2013-03-21 07:12 | カテゴリ:未分類

 

今回の使用済み核燃料プールの吸水電源停止の原因は、下記の毎日新聞の記事のように意外にもネズミによる配電盤での感電によるショートであるらしい。これが事実とすれば、現場では<想定外>の驚きであろう。しかし、実は以前にも下記の共同通信の記事にあるように、チガヤが高濃度放射能汚染水輸送用のゴムホースを貫通して、漏水事故を起こしたことがある。さまざまな生きものが原発施設のような人工的な環境の中にも棲息していて、何をするかわからないということはなかなか、直接廃炉現場に関わっていない原子力工学関係者には予測・想定できないことであろう。

  

実は都心ではネズミが地下を縦横に走る下水道を利用して、ビルの暖かい配電盤に棲息してときどき銅線の被覆を食べて漏電事故を起こしていることは常識である。
 
  

ハトやカラスやトンビがジェット機に吸い込まれて航空機が墜落した経験から、これを避ける有効な手立てをすることは今では空港管理者の共通の頭痛の種で、これには鳥類生態学者も対策に寄与している。
 

   

東電福島第一原発内で作業員が作業中に野ネズミその他の小動物を見たという報告を集めたり捕獲したりする必要があるのではないか? 
  

  話がそれるが、それらのネズミは測定してみればきっと高濃度に放射能汚染して原発の敷地から出たり入ったりして、周辺の生物相 (食物連鎖の上位にあるトンビやヘビ) の新しい放射能汚染源になっていると思われる。ネズミ自身の次世代にも何らかの影響が出ているかもしれない。

 

このことは原発排水口や吸水口付近や原発港湾内の魚が放射能で超高濃度汚染して、それらが外洋に拡散していることと、同じ現象である(東電はまるで他人事のように、高濃度汚染のアイナメを検出したと発表し続けているが。。。)。人が何もしないでいると放射能汚染は拡散するのである(熱力学第2法則)
 

 

今回のことは原子炉の廃炉作業が安定状態に入るまでには、まだまだ思いもよらない危険な事態をクリアーしていかなければならないということを意味している。いつ墜落(暴発)するかわからない綱渡り(廃炉作業)である。30年はかかるだろう。
 

  
 

    


  
 

第1原発、仮設配電盤に焦げ跡 停電、ネズミ原因か
2013320 1841 
ねずみこげ--  
図1.ネズミの死骸。全長25cmとか(NHK映像から)
 
東京電力福島第1原発の停電をきっかけに使用済み核燃料プールの冷却システムなどが停止した問題で、東電は20日、4号機プールなどにつながる仮設配電盤内部で焦げ跡を発見した。焦げ跡付近にネズミとみられる小動物の死骸があり、接触して配電盤がショートし、停電の原因になった可能性があるとみている。

 東電はこの日から、仮設配電盤や関連設備の本格的調査を始めた。

 東電によると、20日午後0時半ごろ、仮設配電盤内部にある端子付近が焦げているのを、調査中の作業員が見つけた。何らかの原因で過電流が流れ、停電につながった可能性があるとみている。

(共同)

 

 

 

 

汚染水漏れ、原因は雑草…・ホースを貫通

スライド2-- 
図2.汚染水移送用に使ったホースを貫通した雑草のチガヤ(東京電力提供)
 

 福島第一原子力発電所から出る高濃度汚染水の処理に使うポリ塩化ビニール製のホースから水漏れが22件見つかっている問題で、東京電力は9日、ホース周辺にはえたイネ科の雑草のチガヤが原因と断定した。

 ホースからは枯れたチガヤが見つかっている。東電は、ホースに欠陥がある可能性もあるとみて、ねじり、ひっぱりなどの実験を行ったが、破損は生じなかった。一方で、先端のとがったチガヤと同じ硬さの針を刺すと貫通。チガヤが原因と結論づけた。ホースは、汚染水を処理して冷却に再利用する「循環注水冷却システム」に使われ、全長4キロ・メートル。東電は再発防止のため、チガヤが貫通しないシートを地面に敷くなどの対策をとりたいとしている。

20122101404分 読売新聞)


(森敏)

 

 付記:説明のために本文ばかりでなく写真2枚も無断転載しています。